はじめに
春先から秋にかけて、さまざまな植物によって花粉症に悩まされます。今まで花粉症になったことがない方でも、突然発症することは珍しくありません。また、最近は花粉の飛散量が増加傾向にあることも手伝い、内服薬だけでは症状がコントロールできないケースがあるようで、注射による治療が行われるようになりました。
花粉症に効く注射とは
花粉症に効果のある注射にはステロイド注射、アレルゲン注射、ヒスタミン注射が主にありますが、アレルゲンとなる花粉のエキスを少量ずつ投与する事で、身体にアレルゲンの抗体を作る方法が、現時点で花粉症を根治させる方法といえます。この治療方法を「アレルゲン免疫療法」といい、注射で行う治療を「皮下免疫療法」といいます。
この治療方法は体内にアレルゲンを取り込んでしまい、獲得してしまった免疫をなくしていくことになり、完治できる可能性は約70~80%といわれています。絶対に完治するとは言い切れませんが、効果はかなり期待できる治療方法といえます。注射の他にも、舌の裏に同じようにアレルゲンを含む薬を投与をする「舌下免疫療法」という方法もあります。どちらも効果の度合いは同等くらいといわれてます。
この治療方法は体内にアレルゲンを取り込んでしまい、獲得してしまった免疫をなくしていくことになり、完治できる可能性は約70~80%といわれています。絶対に完治するとは言い切れませんが、効果はかなり期待できる治療方法といえます。注射の他にも、舌の裏に同じようにアレルゲンを含む薬を投与をする「舌下免疫療法」という方法もあります。どちらも効果の度合いは同等くらいといわれてます。
注射を受ける時期と頻度
アレルゲン免疫療法を受ける期間ですが、少しずつアレルゲンに慣れていく必要があるので、どうしても長期的な持続投与が必要です。期間には個人差がありますが、大体3~5年程かかるといわれています。
最初はごく薄い濃度から始め、徐々に濃度を濃くしていき、治療効果を発揮する維持量に達するまで、約4~5ヶ月程かかります。無理に投与時の濃度を上げてしまうと、体内のアレルゲンを刺激し、身体に作用してしまうので焦りは禁物です。ここに到達するまでは週1回の頻度で通院する必要があるので、少し手間がかかるかもしれません。しかし、維持量に到達してしまえば、2週間→3週間→1ヶ月→1.5ヶ月→2ヶ月の順で徐々に通院から次の通院までの期間は延びていきます。
この治療の最大のポイントは、維持量に達するまでの週1回の通院に通いきれるか、そして3年から5年程の通院を欠かさずに行えるかです。これを乗り越えられれば花粉症の根治に近づき、この先、花粉症に悩まされる可能性が限りなく低くなります。
最初はごく薄い濃度から始め、徐々に濃度を濃くしていき、治療効果を発揮する維持量に達するまで、約4~5ヶ月程かかります。無理に投与時の濃度を上げてしまうと、体内のアレルゲンを刺激し、身体に作用してしまうので焦りは禁物です。ここに到達するまでは週1回の頻度で通院する必要があるので、少し手間がかかるかもしれません。しかし、維持量に到達してしまえば、2週間→3週間→1ヶ月→1.5ヶ月→2ヶ月の順で徐々に通院から次の通院までの期間は延びていきます。
この治療の最大のポイントは、維持量に達するまでの週1回の通院に通いきれるか、そして3年から5年程の通院を欠かさずに行えるかです。これを乗り越えられれば花粉症の根治に近づき、この先、花粉症に悩まされる可能性が限りなく低くなります。
注射の費用
皮下免疫療法は長期治療のため、やはりどれくらい費用がかかるかは気になるところだと思います。
実は、この治療法は30年も前に確立しています。そのため、保険が適用されており、1回辺りの治療費は高額ではありません。皮下免疫療法のみであれば、3割負担の方の場合、1回に600円程で受けることができます。(血液検査などは別途料金が必要です)
ただ、皮下免疫療法は根治を目的としていますので、花粉の時期がくる度に内服薬を服用することを考えると、他の治療よりもトータルして安価に済むことが多いです。
実は、この治療法は30年も前に確立しています。そのため、保険が適用されており、1回辺りの治療費は高額ではありません。皮下免疫療法のみであれば、3割負担の方の場合、1回に600円程で受けることができます。(血液検査などは別途料金が必要です)
ただ、皮下免疫療法は根治を目的としていますので、花粉の時期がくる度に内服薬を服用することを考えると、他の治療よりもトータルして安価に済むことが多いです。
注射の副作用
皮下免疫療法は少しずつアレルゲンになれる治療です。症状の出現するアレルゲンを投与しますので、全身反応が出ててしまう恐れがあります。具体的な症状としては、じんましんや喘息などが挙げられます。その可能性は注射1,000~5,000回あたり1回程度といわれています。
その他、アレルギーといえば、命の危険があるアナフィラキシーショックがあります。もちろん、その可能性はゼロではありませんが、喘息やじんましんが出現するより、さらに低いといわれています。
その他、アレルギーといえば、命の危険があるアナフィラキシーショックがあります。もちろん、その可能性はゼロではありませんが、喘息やじんましんが出現するより、さらに低いといわれています。
その他のメリットとデメリット
皮下免疫療法には当然、メリットとデメリットがあります。では、順番にご説明します。
メリット
皮下免疫療法のメリットとして、花粉症の完治が期待できることの他に、「新たな抗体獲得を予防できる」こと、「アレルギーの進展を抑える」ことがあげられます。
新たな抗体獲得を予防できるというのは、つまり、新しいアレルギーを増やさないという効果です。
一つアレルギーがある人は、そのアレルギーの種類が増えていくことがあります。例えば、何かしらの食べ物アレルギーがある場合、連鎖するように違う食べ物でもアレルギーが起きてしまう現象です。著者自身、果物アレルギーを持っています。最初は桃だけが食べられなかったのですが、いつの間にか柑橘系以外の果物にもアレルギー反応が出るようになり、食べられなくなってしましました。免疫療法には、抗体の種類増加を抑える効果が認められてますので、こういう事も予防できるようになります。
また、アレルギーの進展を抑える効果も期待できます。アレルギー性の疾患を持っていると、その疾患が新たな疾患を生んでしまう、アレルギーマーチになってしまう場合が多々あります。しかし、皮下免疫療法には、これを防ぐ効果があるとされています。
新たな抗体獲得を予防できるというのは、つまり、新しいアレルギーを増やさないという効果です。
一つアレルギーがある人は、そのアレルギーの種類が増えていくことがあります。例えば、何かしらの食べ物アレルギーがある場合、連鎖するように違う食べ物でもアレルギーが起きてしまう現象です。著者自身、果物アレルギーを持っています。最初は桃だけが食べられなかったのですが、いつの間にか柑橘系以外の果物にもアレルギー反応が出るようになり、食べられなくなってしましました。免疫療法には、抗体の種類増加を抑える効果が認められてますので、こういう事も予防できるようになります。
また、アレルギーの進展を抑える効果も期待できます。アレルギー性の疾患を持っていると、その疾患が新たな疾患を生んでしまう、アレルギーマーチになってしまう場合が多々あります。しかし、皮下免疫療法には、これを防ぐ効果があるとされています。
デメリット
皮下免疫療法のデメリットとしては、通院回数と期間が長くなってしまうことがあげられます。また、副作用によって全身反応が出現する可能性もあります。
さらに、皮下免疫療法の治療エキスの種類が少ないこともあげられます。現在、完治が臨めるのは、ダニエキスとスギ花粉エキスしかありません。花粉症の場合、スギ花粉にしか対応していません。他の花粉症のエキスはまだ効果が薄く、皮下免疫治療では完治の可能性が低いといえます。
さらに、皮下免疫療法の治療エキスの種類が少ないこともあげられます。現在、完治が臨めるのは、ダニエキスとスギ花粉エキスしかありません。花粉症の場合、スギ花粉にしか対応していません。他の花粉症のエキスはまだ効果が薄く、皮下免疫治療では完治の可能性が低いといえます。
注射を受けられる病院
皮下免疫療法はどんな病院で実施されているのでしょうか。
一番最初の思い浮かぶのは内科だと思いますが、一口に内科といっても、さまざまな専門分野に分かれています。どこでもアレルギーは診てもらえると思いがちですが、医師にも専門があり、得意な分野は違います。
この治療を受けたい場合、アレルギー内科や耳鼻咽喉科にかかるのがよいでしょう。皮下免疫療法を行っているか、あらかじめ確認してから受診するようにしましょう。
一番最初の思い浮かぶのは内科だと思いますが、一口に内科といっても、さまざまな専門分野に分かれています。どこでもアレルギーは診てもらえると思いがちですが、医師にも専門があり、得意な分野は違います。
この治療を受けたい場合、アレルギー内科や耳鼻咽喉科にかかるのがよいでしょう。皮下免疫療法を行っているか、あらかじめ確認してから受診するようにしましょう。
まとめ
皮下免疫療法は花粉症の根治が期待できる治療方法です。この治療方法は、長期間かけて注射でアレルゲンとなるエキスを身体に注入し、徐々に慣れさせる方法です。
治療期間が3~5年ほどかかりますが、長い目で見ると、思い切って治療を試してみてもよいかもしれません。内服薬に頼らない花粉症の治療として、ぜひ検討してみてください。
治療期間が3~5年ほどかかりますが、長い目で見ると、思い切って治療を試してみてもよいかもしれません。内服薬に頼らない花粉症の治療として、ぜひ検討してみてください。
微生物学、救急医療、老人医療
経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務
資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格