花粉症の種類と特徴

スギ花粉症の特徴

花粉症の代表といえば、スギ花粉症です。
スギは雌雄が同じ株にあるため、1本あれば花が咲きます。花粉自体が軽いため、風に乗って遠くまで飛んでいくのが特徴です。

主な症状は、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなどです。

ヒノキ花粉症の特徴

スギ花粉のアレルギーを持っている方の7割ほどは、ヒノキ花粉にもアレルギー反応が出るといわれています。2つの花粉に反応する方は、症状も重くなります。
スギ花粉と同じように、雌雄が同じ株にあるために1本で花が咲き、風に乗って遠くまで飛んでいきます。

症状もスギ花粉と同様に、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなどが主です。

ブタクサ花粉症の特徴

北アメリカが原産のブタクサは、日本全国に分布しています。
日本で最初に見つかった花粉症であり、ヨーロッパやアメリカでも、ブタクサの花粉症患者が多く、今後も増加していくと予想されています。
ブタクサの草丈は1~2mで、繁殖力が強く、都会でも見かけます。花粉の飛散距離はほかの植物に比べて短く、長くても100mほどです。

鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなどの基本的な花粉症症状はもちろんですが、花粉がとても小さいため、気管支まで入り込むことがあり、のどのかゆみや咳も出ます。
喘息の方は、ブタクサ花粉が原因で症状が現れることもあります。

イネ花粉症の特徴

イネ花粉と聞くとお米の稲をイメージしますが、それに限らずさまざまな種類のイネ科植物が原因になっています。
特に花粉症の原因になるのが、カモガヤという種類です。草丈は60~120cmほどで、数十メートルの飛散距離があります。

鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどの基本的な花粉症症状が出ますが、他の花粉症に比べ、目のかゆみや充血が現れます。
気温が高く晴れた日は飛散量が多く、特に午前中に多く飛散します。

それぞれの花粉症の時期とピーク

植物の種類により、花粉が飛ぶ時期やピークが異なります。
症状が現れる時期がわかれば、ご自身が反応している花粉の種類も特定しやすくなります。

スギ花粉症の時期とピーク

地域によって多少のずれはありますが、2月~4月に多く飛散し、ピークは3月上旬~中旬です。
飛散する量は前年の夏の天候により変わり、日照時間が長くて雨が少ないと、翌年の飛散する量が増加する傾向にあります。

ヒノキ花粉症の時期とピーク

スギ花粉より飛散する時期が遅いですが、最近では同じ時期に飛散することも増えています。だいたい2月~5月に飛散し、ピークは4月上旬~中旬です。
年によっては、スギ花粉の飛散量を超えることもあります。

ブタクサ花粉症の時期とピーク

ブタクサの開花は7月頃より始まり、花粉は8月~10月に飛散します。
ピークは9月頃で、関東や東北が特に多く飛散するといわれています。

イネ花粉症の時期とピーク

イネ花粉は、関東や関西、九州では、真冬以外飛散しています。
ピークは4月中旬~5月下旬、7月下旬~10月中旬の年に2回です。

それぞれの花粉症の対策

前述したように、植物の種類によって花粉症の症状や時期が異なります。
それぞれの花粉症に合った対策を行えば、つらい症状を軽減することにつながります。

スギ花粉、ヒノキ花粉の対策

スギやヒノキ花粉では、マスクやメガネの着用が対策の基本です。
花粉は服にも付着するので、化学繊維の服を着用し、室内に入る前に花粉を払い落とすようにしましょう。帰宅後に洗顔をすることも、顔についた花粉を洗い落とすのに効果的です。

目の症状が強い方は、目の周囲を洗い、まつげやまぶたについた花粉を洗い落としましょう。
洗濯物やふとんは、室内干しにするか乾燥機を使用することで、花粉の付着を防ぐことができます。

ブタクサ花粉の対策

ブタクサ花粉は飛散距離が短いため、多く生息している河川敷を避けることも対策の一つです。
花粉が小さく、マスクを通り抜ける可能性もありますので、喘息の方は、マスクの中にガーゼを入れることで、花粉を効果的にブロックできるようになります。

イネ花粉の対策

イネ科の植物は繁殖力が強く、雑草としていたるところに生えています。植物自体を避けるのはなかなか難しいですが、花が咲く夏前に草刈りをすると飛散の予防になります。
また、晴れていて気温の高い日の午前は特に飛散量が多いため、そういった日には外出を控えてもよいでしょう。

おわりに

スギ、ヒノキ、ブタクサ、イネの4種類の花粉症についてお伝えしました。

花粉症の症状として、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、鼻づまりなどは共通していますが、花粉の種類によっては、目の症状が強くなったり、呼吸器に影響を与えたりします。
飛散時期やピークも、花粉の種類により異なりますので、ご自身のアレルギー反応に合わせて早めに対策を行っていきましょう。
マスク、メガネの着用、手洗い、うがい、洗顔、外出後に服を払うなどの対策を行い、つらい花粉症を予防しましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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