化粧水の主な成分

化粧水は肌表皮の角質層に水分と保湿成分を与えることに重点を置いて作られています。これにより、常に肌を清潔に保ち、整え、引き締め、うるおいを与えることができます。

主な成分は以下の通りです。
・水(精製水)
・グリセリンなどのベースとなる成分
・エイジングや保湿などの機能を与える成分
・品質を維持する安定化成分
・その他の成分

化粧水は水溶性成分、脂溶性成分、界面活性剤の3つで構成されていますが、多くの場合、水溶性の成分が80%以上を占めると言われています。つまり、透明でサラサラとした化粧水の多くは、水から出来ているということです。

水溶性のベース成分には、今回使用するグリセリンがあげられます。その他にも、『BG(ブチレングリコール)』、『PG(プロピレングリコール)』、『エタノール(アルコール)』などがありが、今回は使用しないので、名前だけご紹介します。

一方、水溶性の保湿成分には、エイジングケアに効果があると言われる『水溶性セラミド』や『プロテオグリカン』、保湿には欠かせない『ヒアルロン酸』などです。

グリセリンの成分と効果

植物由来で口に入れても安心

水溶性化粧水のベースとなるグリセリンは、アルコールの一種で、ヤシ油やパーム油など植物由来のものがほとんどです。水に溶けやすい性質を持ち、その甘みから食品の甘味料としても用いられています。そのため、口に入っても無害で安心できます。

また、保湿成分の一種としても知られています。化粧品に配合する際には、保湿成分としての役割以外に、他の美容成分を溶けやすくしたり、固まりにくくしたりする作用もあります。

自分好みにグリセリンを調節

手作り化粧水のメリットの一つは、グリセリンの量が自分で調節できることです。
グリセリン配合の化粧水はとても種類が多く、商品の質などによって価格も様々です。医薬品の場合は、純度の高い合成グリセリンが使用されますが、化粧品の場合は、メーカーによって変わります。

グリセリンとヒアルロン酸、コラーゲンなどの水性性の保湿成分を組み合わせることで、より保湿がアップします。

手作り化粧水に必要なアイテム

濃度5%のグリセリン化粧水を作るために必要なものをご紹介します。

・精製水 100ml
・グリセリン 5ml(小さじ1)
・化粧水用容器
・小さじ

精製水、グリセリンはドラッグストアで購入可能です。容器は100円ショップのもので良いでしょう。

前述したように、グリセリン化粧水のメリットは、グリセリンの量を自分で調節できるところにあります。
グリセリンの最適濃度は5~10%といわれています。湿度が高い梅雨時期、夏には5%、乾燥が気になる時期には10%が目安です。自分の肌に合わせて濃度を変えて作ってみると良いでしょう。濃度10%の場合は、精製水100ml、グリセリン10ml(小さじ2)にして作ります。
※ただし肌の過敏性については個人差がありますので、十分注意してください。

化粧水の作り方

<濃度5%グリセリン化粧水の作り方>

①化粧水を作る前に、化粧水を入れる容器は必ずきれいに洗い、できれば、熱湯消毒しておくと安心です。また、容器の入口には手を触れないようにしましょう。

②精製水を95cc計り、化粧水用の容器に入れます。

③グリセリンを5cc(小さじ1)、精製水に混ぜます。

④容器のふたを閉めてから、よく振って混ぜ合わせて完成です。

水道水を使っても良いのですが、敏感肌の方の場合、塩素が原因で肌荒れするケースもあるので、安全面を考えて精製水を使うことをおすすめします。

化粧水の使い方

手作り化粧水も市販の化粧水と同様に、洗顔後に適量肌に馴染ませて使います。
ただ、いくらグリセリンの保湿性が高いといっても、化粧水だけでは、水分がすぐに蒸発してしまいます。
水分の蒸発は乾燥肌を招く原因になったりもします。それを防ぐために、乳液・クリームなど油分を含んでいるスキンケア用品を使い、肌の水分の蒸発を防ぐと良いでしょう。

また、入浴後や洗顔後、時間を空けずに、すぐに保湿をするということも大事です。

化粧水の保存方法

グリセリンは、甘味料としても使用されるほど甘いです。そのため、自然と雑菌が繁殖しやすくなります。雑菌が入った化粧水を肌につけると、肌荒れにつながり、肌のコンディションが下がってしまいます。
さらに、手作りの際は防腐剤を添加しないで作ることが多いため、保存には注意が必要となります。
手作りのグリセリン化粧水を作ったら、冷蔵庫などで1週間~2週間くらいで使い切りましょう。

少しでも化粧水の劣化を防ぎたい場合は、グリセリン化粧水に防腐としてエタノールを使用すると良いでしょう。

・精製水 100ml
・無水エタノール 5ml(小さじ1)
・グリセリン 5ml(小さじ1)
を用意して、あとは「化粧水の作り方」でご紹介した作り方で作りましょう。

おわりに

手作りのグリセリン化粧水について、成分や効果、作り方、使い方、保存方法をご紹介しました。想像していたよりも簡単に作れることに驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

市販の化粧水が肌に合わず失敗したことのある方や、自分好みの化粧水を作ってみたいという方に、グリセリン化粧水はぜひおすすめです。
今回のご紹介した内容を参考にし、グリセリン化粧水を手作りしてみてはいかがでしょうか。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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