はじめに

女性の美意識が高まる昨今はアンチエイジングに力を入れている女性も多いのではないでしょうか?雑誌やテレビでも様々なアンチエイジングの方法が取り上げられています。

そんなアンチエイジングをする時、役立つアイテムの一つがサプリメントです。では、アンチエイジングに効果のあるサプリとはどんなものなのでしょうか?

アンチエイジングとは

そもそもアンチエイジングの意味をきちんと理解できていますか?

アンチエイジングのアンチは、「反対」という意味を持ちます。そしてエイジングは加齢の事です。つまり、アンチエイジングとは、年齢を重ねていくうちに老化していく全ての過程に「反対」することを指します。

アンチエイジングは肌や美貌を保つことと理解されていますが、それだけではなく、身体全体の若返り、老化防止もアンチエイジングに含まれます。本来のアンチエイジングは、加齢による身体の症状を予防することと定義されます。

その為、アンチエイジングと一言で言っても、分野としては主に「健康」と「美容」に分かれています「健康」は日常生活の改善によるアンチエイジングをすることが多く、「美容」ではサプリメント、マッサージ、医療などの方法によって行われます。

今回はサプリメントについてお伝えするので、「美容」目的のアンチエイジングをお伝えします。

アンチエイジングに効果的なサプリ

アンチエイジングに必要な栄養素は毎日の食事から摂取するのが一番よいですが、仕事の都合などで規則正しい食事ができない人もいることでしょう。その場合、アンチエイジングに必要な栄養素をサプリで補うことができます。

では、どの栄養素をサプリで補えばアンチエイジングにつながるのでしょうか?

ビタミンA

ビタミンAとは、レチノール、レチナール、レチノイン酸の総称です。ビタミンAは不足すると困りますが、過剰に摂取してしまっても健康に害があります。ビタミンAは、皮膚や細胞膜、視力の改善に効果的です。

ビタミンAが不足すると暗順応障害(明るい所から暗い所に移動するときに、ものが見えるようになるまでの時間が長くなる)が起こり薄暗いところでものが見にくくなってしまう夜盲症になる恐れがあります。また、角膜や結膜が乾燥して分厚くなってしまう他、皮膚や粘膜でも、乾燥、角質化が起こります。小児の場合は成長が停止する場合もあります。

逆に過剰摂取し続けてしまうと脱毛や、脳内の圧力の上昇、皮膚のはげ落ち、口唇炎、食欲不振、筋肉痛などの症状が見られることが知られています。

ビタミンB群

ビタミンB群はビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチンの8種の総称で、ビタミンB複合体とも呼ばれています。ビタミンB群は代謝ビタミンと呼ばれていて、私たちが生きるための源であるエネルギーをつくるのに必須です。

ビタミンB群が不足してしまうと疲労感が抜けなかったり、寝ても疲れが取れない、集中力が継続できない、肩こりが治らない、口内炎ができる、下肢のしびれを感じる、風邪をひきやすくなる等、様々な症状が出現します。

ビタミンと聞くと、野菜や果物に含まれると思われがちですが、牛・豚・鶏などの肉類の特にレバーや小腸にも多く含まれています。そしてビタミンB群は8種類もあるので、食事だけで摂取しようとすると大変です。またサプリから摂取するのも、種類が多いと苦労します。

そこでおすすめなのは、ビタミンB群が全て入っているマルチビタミンです。マルチビタミンを摂取すれば、効果的にビタミンB群を摂取する事ができます。ビタミンBは、脂質をサビ(酸化)から守る働きがあるので、アンチエイジングには効果的なサプリといえます。

ビタミンC

ビタミンCは活性酸素を取り除くと同時に、免疫力を高める効果や抗炎症作用があります。その為、アンチエイジングにはもってこいの栄養素の1つです。ビタミンCは人間の体内で合成することができない栄養素です。そのため、野菜や果物など食物からビタミンCを摂取しなくてはならず、不足すると壊血病を引き起こす恐れまであります。壊血病とは皮膚や歯肉からの出血、貧血、衰弱を引き起こします。

ビタミンCが不足してしまうとコラーゲンの構造が弱くなるため毛細血管から出血し 、歯肉炎 (壊血病の初期症状) や貧血、全身倦怠感、脱力、食欲不振の症状が出てきます。その為、ビタミンCもサプリで積極的に取って欲しい栄養素です。

ビタミンE

ビタミンEは強い抗酸化性作用があり、細胞の膜の機能を正常に保つことや、赤血球が破壊されることの防止、生殖機能を正常に保つことに関与している栄養素です。ただし、ビタミンEも摂取し過ぎると身体に悪影響を及ぼします。

ビタミンEの1日の摂取量の目安は18歳以上の男性で6.5㎎、18歳以上の女性で6.0㎎です。

その他の栄養素

ビタミン類意外にも勿論、アンチエイジングには様々な栄養素が必要になります。例えば、肌に良いとされているのは大豆イソフラボンやコラーゲン、プラセンタ、ヒアルロン酸といったサプリですし、健康に良いとされている栄養素としては、アスタキサンチンやコエンザイムQ10、ポリフェノール等が挙げられます。

ただ、サプリばかりに頼るのは身体に良くありません。食事で摂取できない栄養素を見極めて、不足している栄養素を「補う」ようにしましょう。

サプリを選ぶ、摂取するときの注意点

サプリは何でも摂取すれば良いというものではありません。栄養素は食べ物からも摂取できているので、自分に不足している栄養素をしっかりと判断し、不足している栄養素だけを選ぶことが重要です。過剰摂取が健康に悪影響を及ぼすビタミンについては特に注意しましょう。

また、妊娠中はビタミンAを過剰摂取してしまうと胎児に影響を及ぼすことがあります。そして喫煙者の方もビタミンAに注意してください。喫煙には発がんリスクがあるのはご存知だと思いますが、ベータカロテンは喫煙者が摂取すると、肺がんリスクが高まることが国立がん研究センターの研究結果で分かっています。喫煙者はむしろ、ビタミンCが不足しがちになるので、ビタミンCを積極的に摂取する事をおすすめします。

どんなサプリであっても1日の基準量を守りましょう。摂りすぎは無駄になるだけでなく、健康に悪影響な場合もあります。

まとめ

アンチエイジングを行う上で大事なのは必要な栄養素を、1日の摂取量に応じて摂取する事です。サプリは効果的に必要な栄養素を補うことができます。ただし、ビタミンの中には脂溶性に分類されるものがあり、過剰摂取にも身体に悪影響を及ぼしてしまうので注意しましょう。

日頃の食生活に不足した栄養素をサプリで補って、健康的にアンチエイジングに取り組みましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

関連する記事

関連するキーワード

著者