はじめに

年を重ねるとどうしても気になるのが笑った時にできる目尻のしわではないでしょうか。そんな目尻のしわをどうにかして、若々しい肌を取り戻したいと思うのが、いつまでも美しくいたい女性の心理でしょう。そんな目尻のしわを改善する方法はいくつかありますが、その中でも一番リスクが少ないといわれているのがヒアルロン酸注射です。

今回はヒアルロン酸注射の効果や費用、副作用等についてお伝えしていきます。

ヒアルロン酸注射とは

ヒアルロン酸とは、元々体内で生成される成分で、目や関節に多く含まれています。ヒアルロン酸には高い保水力がありますので、注射で注入すると肌の弾力が取り戻せ、肌をみずみずしい状態に生き返らせてくれる等の利点があるんですね。

ヒアルロン酸の保湿力はなんと、1gで最大6リットルもの水を保つことができるといわれています。このようにヒアルロン酸は若々しくハリのある肌を保つには欠かすことのできない成分ですが、残念なことに、ヒアルロン酸が体内で生成される量は赤ちゃんの頃が最大で、年齢を重ねるごとに減少してしまいます。その為、大人になると年を重ねるごとに肌の水分は失われてしまうんです。

そこで便利なのがヒアルロン酸を注射して補うという手段なわけです。

ヒアルロン酸注射の効果

ヒアルロン酸は元々体内にある成分ですので、注入してから少しずつ体内に吸収されていきます。その吸収される速度は個人差が大きいですが、短い方で数ヶ月、長い方だと数年も持続するようです。ただ、ヒアルロン酸が体内に吸収されてしまうと肌のシワも元に戻ってしまいます。

その為、シワが目立ち始めたら再び、クリニックに来院して、ヒアルロン酸を注入する必要があります。

ヒアルロン酸注射の方法

ヒアルロン酸を注射したいと思ったら、まずは美容外科クリニックを受診します。その後の流れを順番に説明します。

カウンセリングを受ける

クリニックに来院しても、直ぐに注射を受けられるわけではありません。最初に行われるのが医師の診察とカウンセリングです。この時に自分が気になっているシワの部位を伝えましょう。また、ヒアルロン酸注射を受けるにあたり、不安に思っている事や心配な事を質問しておくと安心して施術を受けられますので、遠慮せずに聞きたい事を聞いておく事をおすすめします。

ヒアルロン酸注射を受ける

カウンセリングが終わったら、いよいよヒアルロン酸注射の施術になります。顔に注射をしますので、緊張するかもしれませんが、できるだけリラックスして施術を受けるようにしましょう。また、注入中は動かないようにして下さい。

施術が終わったら

施術が終わり、異常がなければこれでヒアルロン酸注射は終了です。ヒアルロン酸注射は顔にメスを入れるわけではありませんので、終わってからメイクする事も可能ですので安心して、メイクをして帰ることができるのが女性には嬉しいメリットではないでしょうか。

ヒアルロン酸の費用と頻度

ヒアルロン酸注射をして、しわを取り除こうと決心してから気になるのは、どれくらい費用や時間がかかるかですよね。そこでヒアルロン酸にかかる費用と時間を調べてみました。

費用

美容の為にヒアルロン酸注入する場合、費用は保険適応外になりますので、自費負担です。その為、どうしても費用は高くなってしまうんですね。そしてヒアルロン酸の種類や注入する量によっても費用は異なります。

また、自費で費用を提示している為、その料金設定もクリニックによって異なるんですよ。逆を言えば、ヒアルロン酸注射の相場を知る事で、適正金額を提示しているクリニックを探せば良いというわけです。

ヒアルロン酸注射の相場は1本1㏄で4~6万円です。1ccを使い切れない場合も勿論ありますが、残りを保存しておいてくれるクリニックもありますので、クリニックを受診する前にこの相場のクリニックを探し、なおかつ使い切らないヒアルロン酸を保存してくれる所を探す事をおすすめします。

頻度

ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸分解酵素のヒアルロニダーゼにより水と二酸化炭素に分解され、個人差がありますが、体内に吸収されてしまいます。いきなりたくさん入れすぎないで様子を見る場合、少量から始める場合は1ケ月程度の期間効果が続きます。いきなり不自然な仕上がりにならないよう、まずは少なめに注入して、1ケ月後位に追加注入をすすめられる方針のクリニックが多いようです。

注入する量や年齢、シワの状態や深さ、先生の技量により注入する深度が変わりますが、効果が持続する期間は約3ヶ月程度と言われています。

ヒアルロン酸の痛み

ヒアルロン酸注射をする上で痛みや副作用はあるのでしょうか。結論から言えば、どちらも少なからずあります。ヒアルロン酸は体内で生成される成分ではありますが、しわを取る為に注入する場合、そのヒアルロン酸は異物として身体は認識しますので、どうしても痛みは伴うんですね。

しかし、それに対しクリニックによっては麻酔を用意していてオプションになりますが、希望すれば麻酔を施行した上でヒアルロン酸注射を行ってくれますので心配いりません。

ヒアルロン酸注射の副作用や失敗例とは

ヒアルロン酸注射は基本的に安全な治療ですが、時に副作用や失敗してしまう事も考えられますよね。そこで考えられる副作用と失敗例をご紹介します。

感染症

1つ目は注射針を刺して、ヒアルロン酸を注入しますので、稀にそこから菌が入り込んでしまい、感染症を引き起こします。その場合はすぐに医療機関を受診しましょう。感染症は放っておくと目に重大な疾患を引き起こしてしまう危険があります。

内出血・あざ・腫れ

2つ目は内出血やあざができてしまったり腫れがひかない事です。これは体質が要因でなかなか腫れ等がひかない場合もありますが、医師の技術が未熟で毛細血管を傷つけてしまう場合も考えられます。予防策としては、ヒアルロン酸注射の実績の多いクリニックを選ぶ事になります。また、こういう症状が出現した場合も速やかに医療機関を受診して下さい。

塞栓症

3つ目として塞栓症のリスクが考えられます。非常にまれなケースになりますが、注入したヒアルロン酸が誤って血管内に入ってしまうと血流障害が起こり、組織の壊死等を引き起こしてしまう事があります。

失敗例

失敗例としては入れすぎで見た目がボコボコしてしまったり、人によっては依存症になる事もあるようです。副作用が少ないと言われているヒアルロン酸注射ですが、注入するドクターの技術力や経験値により、失敗されたのではないかと思ってしまう事例もあるようです。また、血管を傷つけたり、動脈をつまらせたりという失敗事例も報告されています。

その他にも海外の事例になりますが、眉間や鼻近辺の治療で血管がつまりしこりができた事例や、眉間周辺の動脈につまり失明した事例が海外で報告されているんですね。ここまで失敗する事例も珍しいとはいえ、失明してしまうと一生目が見えなくなってしまう事を忘れないで下さい。

まとめ

ヒアルロン酸による目尻のしわ取りは、今ではメジャーな若返りの方法の1つです。目尻のしわが無くなるだけで今までよりも若く見られますし、自分にも自信が持てるようになると思います。

美容の為のヒアルロン酸注射は自費負担になりますので、費用はそれなりに嵩んでしまうのが難点かもしれませんが、一度注入をすれば数ヶ月は効果が持続します。

ただし、副作用が少ないヒアルロン酸注射ですが、痛みが当然ありますので麻酔も可能なクリニックを選ぶ事をおすすめします。また、副作用や失敗事例がある事も念頭に置いておきましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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