歯周病とは
歯周病とは、歯周組織に生じる炎症を中心とした疾患です。
歯周組織とは、歯肉(歯ぐき)、歯槽骨(歯を支えている骨)、セメント質(歯根の表面を覆っている硬い組織)、歯根膜(セメント質と歯槽骨をつなげている薄い靭帯のような膜)の4つの組織から構成されています。
歯周組織は、歯を支えるためにとても大切な組織で、歯周組織にダメージが加わると、歯を支えきれなくなり、歯が抜けてしまうようになります。
歯周組織とは、歯肉(歯ぐき)、歯槽骨(歯を支えている骨)、セメント質(歯根の表面を覆っている硬い組織)、歯根膜(セメント質と歯槽骨をつなげている薄い靭帯のような膜)の4つの組織から構成されています。
歯周組織は、歯を支えるためにとても大切な組織で、歯周組織にダメージが加わると、歯を支えきれなくなり、歯が抜けてしまうようになります。
毎日の歯磨きで変わる!正しい磨き方、歯ブラシや歯磨き粉の選び方もご紹介! - 【ケアクル】
人は食事をした後、歯を磨きます。歯磨きの歴史は古く、なんと縄文時代から歯を磨いていたことが明らかになっています。ところで、みなさん理想的な歯磨き法をご存知ですか?ただ、漫然と磨いているということはありませんか?今回は、歯磨きの方法だけでなく、歯ブラシや歯磨き粉の選び方も含め、歯磨きに関する知識をわかりやすく解説します。
歯周病の症状
歯周病は、進行度合いで歯肉炎と歯周炎にわけることができます。
歯肉炎
歯肉炎とは、歯周病の初期段階です。
歯肉炎では、歯周組織のうち、歯肉にしか炎症が起こっていません。歯を支えている歯槽骨には炎症が波及していないので、歯がグラグラすることはありません。
歯肉炎の段階で、歯周病を適切に治療することが勧められます。
歯肉炎の症状は、歯肉の腫れや出血です。
もし、歯肉が腫れてきた、歯みがきをしたら出血してきたなどの症状があれば歯科医院で診てもらった方がいいでしょう。
歯肉炎では、歯周組織のうち、歯肉にしか炎症が起こっていません。歯を支えている歯槽骨には炎症が波及していないので、歯がグラグラすることはありません。
歯肉炎の段階で、歯周病を適切に治療することが勧められます。
歯肉炎の症状は、歯肉の腫れや出血です。
もし、歯肉が腫れてきた、歯みがきをしたら出血してきたなどの症状があれば歯科医院で診てもらった方がいいでしょう。
歯周炎
歯周組織の炎症が、歯肉だけでなく歯槽骨やセメント質など、歯周組織全般に波及した病態です。
歯周炎になると、歯肉が腫れるだけでなく、歯槽骨がダメージを受けて減ってしまうので、歯がグラグラと動くようになります。
グラグラ度合いが大きくなると、歯が抜けてしまうようになります。
しかも、一度減った歯槽骨はまず回復しませんので、歯周病の症状が軽いうちに治療をしておかなければなりません。
歯周炎になると、歯肉が腫れるだけでなく、歯槽骨がダメージを受けて減ってしまうので、歯がグラグラと動くようになります。
グラグラ度合いが大きくなると、歯が抜けてしまうようになります。
しかも、一度減った歯槽骨はまず回復しませんので、歯周病の症状が軽いうちに治療をしておかなければなりません。
歯周病の原因
歯周病の原因はなに?
歯周病の原因は様々あり、噛み合わせによるもの、歯ぎしりによるもの、そして歯周病菌とよばれる細菌類によるものです。
歯周病菌には非常に多くの種類があります。その中でも、重篤な歯周病を引き起こす原因菌が3つあり、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、トレポネーマ・デンティコラ(Treponema denticola)、タネレラ・フォーサイセンシス(Tannerella forsythensis)です。
これらを総称して「レッド・コンプレックス」と呼んでいます。
このほかにも、アグリゲーティバクター・アクチノミセテムコミタンス(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)やプレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)も歯周病発症に深くかかわるとされています。
歯周病菌には非常に多くの種類があります。その中でも、重篤な歯周病を引き起こす原因菌が3つあり、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、トレポネーマ・デンティコラ(Treponema denticola)、タネレラ・フォーサイセンシス(Tannerella forsythensis)です。
これらを総称して「レッド・コンプレックス」と呼んでいます。
このほかにも、アグリゲーティバクター・アクチノミセテムコミタンス(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)やプレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)も歯周病発症に深くかかわるとされています。
歯周病菌はどこにいるの?
歯の表面に白いカスのようなものがついていることがあります。
爪の先や爪楊枝など、硬いもので歯の表面をこするとついてきます。
この白カスのようなものが、歯磨き粉や歯ブラシのCMなどでおなじみのプラークです。
プラークの正体は、実は細菌の塊です。
細菌の塊という意味で、現在ではプラークではなくバイオフィルムという呼び方に変わりつつあります。
歯周病菌は、このプラークの中にいます。
同じプラークでも歯肉の縁より上のプラーク(歯肉縁上プラーク)と、歯肉の縁よりも下にあるプラーク(歯肉縁下プラーク)では、細菌の構成が異なります。
歯肉縁上プラークは酸素の豊富な環境下でも生きていける好気性菌や、酸素があってもなくても生きていける通性嫌気性菌が多いです。
一方、歯肉縁下プラークの場合は、酸素があると生きていけない嫌気性菌が多いです。
レッド・コンプレックスを構成するような歯周病菌は、歯肉縁下プラークにたくさん含まれています。
ですので、歯周病菌は主に歯肉より深いところにいるといえるかもしれません。
爪の先や爪楊枝など、硬いもので歯の表面をこするとついてきます。
この白カスのようなものが、歯磨き粉や歯ブラシのCMなどでおなじみのプラークです。
プラークの正体は、実は細菌の塊です。
細菌の塊という意味で、現在ではプラークではなくバイオフィルムという呼び方に変わりつつあります。
歯周病菌は、このプラークの中にいます。
同じプラークでも歯肉の縁より上のプラーク(歯肉縁上プラーク)と、歯肉の縁よりも下にあるプラーク(歯肉縁下プラーク)では、細菌の構成が異なります。
歯肉縁上プラークは酸素の豊富な環境下でも生きていける好気性菌や、酸素があってもなくても生きていける通性嫌気性菌が多いです。
一方、歯肉縁下プラークの場合は、酸素があると生きていけない嫌気性菌が多いです。
レッド・コンプレックスを構成するような歯周病菌は、歯肉縁下プラークにたくさん含まれています。
ですので、歯周病菌は主に歯肉より深いところにいるといえるかもしれません。
歯周病の治療
歯周病の治療の基本はプラークコントロールにあります。
プラークコントロールをしっかり行い、歯周病菌を減らすのです。
プラークコントロールをしっかりするためには、自宅で行なうセルフケアと、歯科医院で行なうプロフェッショナルケアが大事です。
プラークコントロールをしっかり行い、歯周病菌を減らすのです。
プラークコントロールをしっかりするためには、自宅で行なうセルフケアと、歯科医院で行なうプロフェッショナルケアが大事です。
セルフケア
セルフケアは、毎食後のデンタルケアのことです。
歯ブラシを使って磨くだけでは、歯と歯の間など磨き残しがどうしても生じてしまいます。この磨き残しの部分で、歯周病菌が増えてきます。歯ブラシだけでなく、歯と歯の間を磨くためにデンタルフロスや歯間ブラシも使いましょう。
歯ブラシを使って磨くだけでは、歯と歯の間など磨き残しがどうしても生じてしまいます。この磨き残しの部分で、歯周病菌が増えてきます。歯ブラシだけでなく、歯と歯の間を磨くためにデンタルフロスや歯間ブラシも使いましょう。
プロフェッショナルケア
歯科医院では、歯磨きでは取り除けない歯石を除去したり、磨けていないところをきれいに磨いたり、効果的な歯磨きの仕方を説明したりして、プラークコントロールを行ないます。
歯石とは、歯の表面についた乳白色、もしくは黒色の石の様な硬い付着物のことで、これはプラークが古く硬くなったものです。しかも、歯石の表面は非常にデコボコとしており、新たなプラークが付着しやすくなっています。
歯石は歯ブラシでは取り除けないので、歯科医院では専用の器械を使って除去します。そして、プラークのつきにくい状態にするのです。
丁寧に磨いていても上顎の歯の裏側など、どうしても磨けないところがあります。そのようなところを器械を使ってきれいに、つるつるになるまで磨きます。歯の表面をつるつるに磨くことで、プラークをつきにくくするのです。
また、歯科医院では自宅でのセルフケアを効果的にするために、各人に適した歯磨きの仕方を説明してくれます。
歯石とは、歯の表面についた乳白色、もしくは黒色の石の様な硬い付着物のことで、これはプラークが古く硬くなったものです。しかも、歯石の表面は非常にデコボコとしており、新たなプラークが付着しやすくなっています。
歯石は歯ブラシでは取り除けないので、歯科医院では専用の器械を使って除去します。そして、プラークのつきにくい状態にするのです。
丁寧に磨いていても上顎の歯の裏側など、どうしても磨けないところがあります。そのようなところを器械を使ってきれいに、つるつるになるまで磨きます。歯の表面をつるつるに磨くことで、プラークをつきにくくするのです。
また、歯科医院では自宅でのセルフケアを効果的にするために、各人に適した歯磨きの仕方を説明してくれます。
歯周病の予防
先に述べた通り、原因には噛み合わせ、歯ぎしり、そして歯周病菌がありますので、歯周病の予防は噛み合わせの治療(例えば虫歯や被せ物の治療、歯が無いところを補う治療、矯正治療など)が必要です。
また歯ぎしりの場合はマウスピースを使うことがあります。
また歯ぎしりの場合はマウスピースを使うことがあります。
歯周病菌の感染拡大について
歯周病は歯周病菌が引き起こします。
歯周病菌をコントロールできさえすれば、歯周病は予防できます。
しかし、歯周病菌が移らないようにするのは、かなり難しいです。
というのも、歯周病菌は性感染症の一種とみる見方があるからです。
夫婦間で歯周病菌の遺伝子を調べると、共通していることとが多かったことから、キスを通して感染が広がると考えられています。
また、キスをしたことがないという人でも歯周病菌をもってることがあります。
これは、日本の食文化に理由があります。日本の食文化は、大皿盛りが特徴です。
大皿に食事を持って、つつくわけです。
このとき、歯周病菌に感染した人の使ったお箸で食事を取り分けると、そこから歯周病菌が食事を介して広がっていくのです。
この理解はあまり広がっていないので、取り箸を使わずに食事を取り分けることで、キスをしたことのない人にも広がっていくと考えられています。
食事の際には、取り箸を使うように心がけてください。
歯周病菌をコントロールできさえすれば、歯周病は予防できます。
しかし、歯周病菌が移らないようにするのは、かなり難しいです。
というのも、歯周病菌は性感染症の一種とみる見方があるからです。
夫婦間で歯周病菌の遺伝子を調べると、共通していることとが多かったことから、キスを通して感染が広がると考えられています。
また、キスをしたことがないという人でも歯周病菌をもってることがあります。
これは、日本の食文化に理由があります。日本の食文化は、大皿盛りが特徴です。
大皿に食事を持って、つつくわけです。
このとき、歯周病菌に感染した人の使ったお箸で食事を取り分けると、そこから歯周病菌が食事を介して広がっていくのです。
この理解はあまり広がっていないので、取り箸を使わずに食事を取り分けることで、キスをしたことのない人にも広がっていくと考えられています。
食事の際には、取り箸を使うように心がけてください。
歯磨き剤
歯周病菌を減らすためにはプラークコントロールが大切です。
歯磨きのときに歯磨き剤を使うと思いますが、歯磨き剤には歯周病菌に殺菌効果のある薬効成分など、歯周病予防に充填をおいた成分が含まれているものがあります。
毎食後の歯磨きの時、こうした歯磨き剤を使うといいでしょう。
歯磨きのときに歯磨き剤を使うと思いますが、歯磨き剤には歯周病菌に殺菌効果のある薬効成分など、歯周病予防に充填をおいた成分が含まれているものがあります。
毎食後の歯磨きの時、こうした歯磨き剤を使うといいでしょう。
洗口剤
洗口剤とはうがい薬のことです。
歯周病菌を殺菌する薬効成分や、歯肉の炎症を抑える効果のある薬効成分のある洗口剤を使ってみるのも、歯周病予防には効果的でしょう。
歯周病菌を殺菌する薬効成分や、歯肉の炎症を抑える効果のある薬効成分のある洗口剤を使ってみるのも、歯周病予防には効果的でしょう。
定期的な歯科医院でのメンテナンス
歯周病の治療でも触れましたが、自分では歯磨きしにくい場所は必ずあります。
また、歯を支える骨の状態は、レントゲンを撮影しないとわかりません。
年の2~4回を目安に、かかりつけの歯科医院を決めて、定期的にチェックしてもらうことが重要です。
また、歯を支える骨の状態は、レントゲンを撮影しないとわかりません。
年の2~4回を目安に、かかりつけの歯科医院を決めて、定期的にチェックしてもらうことが重要です。
まとめ
歯周病は放っておくと最終的に歯を失うことになる恐ろしい病気です。
症状が軽いうちに適切な治療を受け、早い時期に治しておくようにしましょう。
歯周病は予防することも十分可能な病気でもあります。
なるべくなら歯周病になる前に普段から予防するように心がけておきたいものですね。
症状が軽いうちに適切な治療を受け、早い時期に治しておくようにしましょう。
歯周病は予防することも十分可能な病気でもあります。
なるべくなら歯周病になる前に普段から予防するように心がけておきたいものですね。
歯科、口腔外科
経歴
九州大学歯学部卒業。2003年歯科医師免許取得。2009年博士号(歯学)取得。九州大学病院顎口腔外科医員。2011年医療法人仁慈会西原歯科勤務。2013年九州大学病院顎口腔外科助教。2016年福岡歯科大学口腔外科助教。2018年長崎大学病院 顎口腔再生外科
資格
歯科医師免許
日本口腔外科学会専門医
日本口腔科学会認定医
所属学会
日本口腔科学会
日本口腔外科学会
日本口腔腫瘍学会