はじめに

美容や健康に良いとされているプラセンタ注射が最近話題になっていますが、具体的にどんな効果があるのかご存知ですか?「そもそもプラセンタって何?」と気になっている方も多いのではないでしょうか?

注射ということで、何となく怖いと思われる方もいるかもしれません。しかし、プラセンタ注射には多様な嬉しい効果が期待できるのです!

そこで今回は、プラセンタ注射とはどんなものなのかについてお話したいと思います。

プラセンタ注射とは

プラセンタ注射は厚生労働省が認めている医薬品です。元々、このプラセンタ注射は、慢性肝疾患治療や更年期障害などの治療の為に開発されました。プラセンタ注射は、血液検査を繰り返しエイズやC型肝炎といった感染性の高い病気がないことを確認した胎盤を使用して作られます。その後、高圧蒸気減菌を行い無菌試験及び動物試験が行われ高い安全性が確保されます。

プラセンタの成分には、成長因子があります。これは細胞の新陳代謝を促し、細胞の増進・促進を促すもので少量でも十分な健康・美容効果が期待できます。他にはアミノ酸やビタミン、酵素などが存在し、体内の細胞をつくる原料となります。そのため、プラセンタは美容や健康にも効果があるのです。

プラセンタ注射の効果

プラセンタ注射を行う事で以下の効果が期待できます。

美容・・・美白、保湿、シミ、シワ、たるみなど
女性特有の悩み・・・更年期障害、生理不順、生理痛、冷え症など
健康・・・肩こり、腰痛、花粉症などのアレルギー、疲労など
メンタル・・・自律神経失調症、不眠症、うつ病など

つまり、プラセンタ注射を行う事で、身体の中と外の両方が元気になるのです。ただし、効果の度合いは人により違うため、必ずしも上記のような効果が期待できるわけではありません。

プラセンタ注射の方法

プラセンタ注射の方法としては皮下注射、筋肉注射、ツボ注射等、様々な選択肢があります。その特徴は以下の通りです。

・皮下注射:投与する薬液量・吸収量が少ないことと痛みも、金銭的な負担も少ないです。
・筋肉注射:筋肉に存在している筋層は、血管が多く吸収速度も速いので、より即効性を求める方に有効的とされています。
・ツボ注射:基本的に美容に効果的で、顔面注射を行うクリニックも多いとされています。通常のプラセンタ注射と比べ金銭的な負担がかかってしまうこともあります。

プラセンタ注射の薬剤で国に認められているものは、ラエンネックとメルスモンの2製剤です。この2製剤は静脈に注入する事を禁止されているものです。その為、体外に排出されやすく、副作用が出にくい皮下注射等の方法がとられます。

プラセンタの費用と頻度

プラセンタの効果やその方法を理解して頂けたでしょうか。ただ、美容目的で行う場合、通院も必須ですが、費用は医療保険が使えないので自費負担になってしまいます。では、身体に良いプラセンタ注射はどれ位の費用がかかって、どの程度の頻度で注射すれば良いのでしょうか。

費用

プラセンタ注射は元々、疾患の治療が目的で開発された薬剤ですので、勿論、医療保険が適用される疾患もあります。

・肝炎や肝硬変なのど肝障害の治療とする場合
・更年期障害の治療を目的とする場合
・乳汁分泌不全の治療を目的とする場合

これ以外は全て保険適用外になります。プラセンタ注射にかかる費用ですが、保険適用だと1回あたり500円程度です。自費診療でも1回あたり1,500~2,100円ぐらいなので、手が出せないという程の費用が発生するわけではありません。ただ、長い目でみると、費用はどうしてもかかってしまいます。

頻度

プラセンタ注射の最も効果のある頻度は1回1アンプル(=2ml)を1日3回、毎日もしくは隔日が良いとされています。しかし、通院で通う事を考えると、そんなに通うのは大変です。実際プラセンタ注射を受けている方は、週1、2回のペースで1回で2~3アンプル(4〜6ml)をまとめて打つという人が多いようです。

何かしらの病気や疾患の治療目的の場合は、週1、2回のペースで3か月から半年続けるというのが目安になります。勝手に止めて大丈夫なの?と心配される方もいると思いますが、止めることによる副作用はありませんし、リバウンドもないので、いつ止めてもいいですし、再開するのも自由です。

プラセンタ注射の副作用と注意点

プラセン注射では、今まで重篤な副作用が起きた事例はないようです。ただ、稀に発熱、悪寒、悪心、発熱、発赤等の症状が出現する事があります。また、原料が胎盤ですので、感染症のリスクも否定はできません。

勿論、薬剤を作る上で細心の注意を払っていますが、万が一という場合もありますので、一応、頭に入れて施術を受けられた方が良いでしょう。

まとめ

プラセンタ注射を受けられる事で美容や健康に様々な効果があります。その方法は主に皮下注射、筋肉注射、ツボ注射になります。

プラセンタ注射はかなり安全な薬剤と証明されているので、健康な方であれば問題なく受けられます。ただし、稀に軽い副作用が出現する事と感染症のリスクがある事は覚えておきましょう。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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