はじめに

春が近づいてきて、過ごしやすくなってくるのは嬉しいですが、この季節は花粉が飛ぶ季節でもあります。目のかゆみやくしゃみ、鼻水、咳等、花粉による症状に悩まされている方も多いのではないでしょうか?

今回はそんな花粉症に効く市販薬をご紹介します。
花粉症の症状を少しでも抑え、快適な生活を送りましょう!

花粉症とは

花粉症とは、スギやヒノキ等、特定の植物の花粉が原因となって、くしゃみや鼻水、咳等のアレルギー症状を起こす病気をいいます。別名季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれ、原因物質(アレルゲン)の種類によって2つに分類されます。

有名なのはスギ花粉ですが、その種類によって花粉症になる時期が異なります。

花粉症の症状

花粉症はくしゃみ、鼻みず、鼻づまりが3大症状と言われています。 異物が鼻から侵入すると、その異物を外に追い出したり体内に入りにくくする反応が起きます。その反応がくしゃみ、鼻みず、鼻づまりの症状として現れるのです。アレルギー反応によってこれらが過剰に発現するのが花粉症の症状です。

では、この症状を詳しく見ていきましょう。

目の症状

花粉症の代表的な症状の1つが目のかゆみ、涙が止まらなくなるといった症状です。花粉症で涙が出てしまうのは、身体が目に入った花粉を洗い流そうとするためです。

鼻の症状

花粉症の鼻に関する代表的な症状の1つが鼻水、くしゃみ、鼻づまり等です。花粉にさらされてすぐに反応する場合もある一方で、数時間以上経ってから突然、鼻づまりなどの症状が現れるケースもあり、症状の出現するタイミングは人それぞれです。花粉症の人の場合、どちらかの反応だけが出るというわけではなく、2つの反応を繰り返しています。

その他の症状

花粉が目に入ったり、鼻から多く入り込りこんでしまうと、症状はより重くなり、症状が多様化するケースもあります。具体的な症状は、喉の痛み、下痢などの胃腸症状、頭痛、皮膚が赤くなる等が挙げられます。

それぞれの症状に効く市販薬

辛い花粉症ですが、医師の診断を受けて、薬を処方して貰うのが一番効果があります。しかし、仕事等で病院に行く時間が取れない方もいらっしゃるかもしれません。そんな方でもできる花粉症対策が市販薬です。

でも、いざ薬局やドラッグストアに行っても種類が多く、どれを選んで良いのか分からない方もいるのではないでしょうか?そこでここでは花粉症の市販薬の選び方をご紹介します。

「抗ヒスタミン薬」と「抗アレルギー薬」から選ぼう

抗ヒスタミン薬は第一世代と第二世代の違いを覚えて購入しよう

花粉症の薬には大きく分けて「抗ヒスタミン薬」と「抗アレルギー薬」の2種類があります。抗ヒスタミン成分を含んだ薬は、症状が強く表れている時に効果的です。ただし前立腺障害や緑内障の方は服用できないので、十分注意しましょう。

そして抗アレルギー成分は症状の発生を抑えるために使うのが効果的ですので、予防的として症状がまだ軽いうちから服用しておくのが最適です。
抗ヒスタミン薬は第一世代と第二世代に分けられます。それぞれの薬は効果や副作用等が異なりますので注意しましょう。

・第一世代の薬
ヒスタミンの働きをブロックする作用があり、辛い花粉症の症状緩和に効果が大きいです。ただ副作用として喉の乾きや眠気が表れやすいので、車の運転をする際は服用できません。また集中力や判断力も低下しやすいので、仕事中・出勤前なども避けた方がいいでしょう。

・第二世代
現在、主流になっているのがこちらになります。第一世代に比べて副作用が少なく、また効き目が表れるまでに時間がかかります。即効性はありませんが緩やかに効いていくので、くしゃみや鼻水、鼻詰まりの症状が比較的軽いうちに服用すれば十分効果を得られます。

ただ、これらは表示されているわけではないので、常駐している薬剤師さんに確認してから購入する事をお勧めします。

服用の回数や飲むタイミングに注意

購入した市販薬によって1日の服用量や回数は決まっています。1日3回の服用が必要な薬もあれば、1日1回の服用で効果がある薬もあります。花粉症で薬を服用する場合、花粉が飛んでいる間は飲み続けなくてはなりませんので、自分のライフサイクルに合わせてしっかり服用できるものを選びましょう。

点鼻薬との併用や妊娠中の服用は、医師と相談しよう

花粉症の症状を鎮めるために点鼻薬も市販されています。点鼻薬は鼻の辛い症状を緩和するのに効果的で、基本的には内服薬と併用可能なものが多いのですが、薬の種類によっては併用できないものもあります。その為、自己判断で使用するのは避けましょう。ドラッグストアなどで購入する際は店頭の薬剤師に相談することをお勧めします。

また、抗ヒスタミンは胎児に影響を与える成分です。妊娠中の方や妊娠の可能性がある方は服用しないようにしましょう。妊娠している方は市販薬を使わず、受診した上で医師から処方してもらいましょう。

まとめ

花粉症の症状は人によって異なります。その為、自分に合った市販薬を購入する事が大切です。我慢をしないで、市販薬を服用しましょう。

そして花粉症の市販薬を購入する際には、抗アレルギー薬か抗ヒスタミン薬を選ぶようにして下さい。また、市販薬によって1日の服用回数や副作用も異なりますので、慎重に選びましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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