はじめに

テカテカ、ベトベトの肌は化粧崩れの原因などになり厄介な肌の症状のひとつです。
そんなオイリー肌の原因や改善方法を知っているでしょうか?

オイリー肌は脂取り紙など、一時しのぎの方法では全く改善されません。

今回は、オイリー肌の原因、改善法、スキンケアについてまとめました。

マストアイテムは油とり紙⁉

ほとんどの人のメイクポーチには油とり紙が常備されていますよね。メイク直しの時などに使用する人も多いことでしょう。

さて、あなたは油とり紙をどれくらいのペースで消費していますか?あまりにも頻度が多く、取っても取っても肌がテカテカになってしまう人はオイリー肌かもしれません。

メイクも崩れやすく、なんとなく不潔な印象を与えてしまうテカテカ肌。
どうすれば改善できるのでしょうか?

オイリー肌とは

私たち人間の肌からは、皮脂が出てくるのが当たり前。皮脂は肌を守ってくれるバリアの役割をしてくれているからです。つまり、オイリーなのは自然な状態であるとも捉えることができます。

オイリー肌とはそもそもどんな肌のことを言うのでしょう?

肌タイプの分類

私たちの体は一人ひとりみんな違っています。もちろん肌だって例外ではありません。お肌はその状態によっていくつかのタイプに分けられています

1.乾燥肌
肌の水分量が不足している状態です。カサカサで粉をふいてしまたり、かゆみなどの原因となったりします。一般的には、肌の水分保有量が30%未満の場合を乾燥肌と定義しています。

2.普通肌
肌の水分量や油分量のバランスがよく、健康的な肌の状態です。ニキビなどもできにくく、ハリや弾力も備えた理想的な肌です。

3.オイリー肌
何らかの理由で毛穴から皮脂が過剰に分泌されてしまっている状態の肌のことです。脂性肌とも呼ばれます。ニキビや毛穴の黒ずみなどにつながりやすい肌と言えます。

4.混合肌
乾燥肌とオイリー肌が入り混じっている状態の肌を言います。部位ごとにオイリー肌と乾燥肌になっていたり、皮脂分泌は過剰であるにもかかわらず、水分量は30パーセント以下となっているなどのケースがみられます。

オイリー肌とはどんな状態?

オイリー肌とは、皮脂の分泌が過剰になってしまっている状態の肌を言います。

皮脂によってほとんど常に顔がテカテカしており、触るとヌルヌル・ベタベタするのが特徴です。
角栓も詰まりやすく、ニキビができやすいのもオイリー肌ならではと言えるでしょう。

オイリー肌の原因

油分をこまめにとっても気が付けばテカテカに。

いったいこの油脂分たちはどこからやってくるのでしょう?
オイリー肌の原因を探ります。

皮脂の役割

オイリー肌の元である皮脂は私たちの肌にとってとても大切な役割をしています。私たちの肌は体の中に病原体やさまざまな刺激が侵入してくるのを守ってくれていて、いわばバリアの機能を持っています。そのバリア機能を正常に働かせるためには、肌が十分に厚く弾力性を持っていることが欠かせません。

そのために必要となってくるのが水分と油分です。
油分とは、つまり皮脂のこと。皮脂は肌の働きを保つために重要な役割を担ってくれているのです。

皮脂が過剰に分泌される理由

オイリー肌とは、皮脂が過剰に分泌されてしまっている状態をいいます。では、どうして皮脂の分泌が多くなってしまうのでしょう?

その理由は、ずばり「乾燥」です。肌に含まれている水分は、知らず知らずのうちに少しずつ失われて行ってしまいます。それを防ぐために、油で蓋をして水分の蒸発を防ぐ必要があります。これが皮脂の役割です。肌の水分量が少ないことによって、これ以上水分を失わないために、体がたくさんの皮脂を分泌するようになってしまうのです。この状態をインナードライ・オイリー肌といい、オイリー肌で悩む女性の8割以上を占めています。

皮脂はとればとるほど分泌される!

オイリー肌の人にとって、過剰に分泌される皮脂はどうしても取り除きたくなってしまうもの。ところが、この行為こそが逆効果。オイリー肌の負のスパイラルに突入してしまうスイッチとなってしまうのです。

皮脂が多く分泌される状態というのは、体が「水分不足」だと判断している証拠。そのため、これ以上水分が失われるのを防ごうとします。これが皮脂が多く分泌される仕組みです。

ここで皮脂を取り去ってしまうとどうなるでしょう?
「これだけ皮脂を出しても、まだ足りない。もっともっと皮脂を分泌させなくては!」と体は考えるようになります。その結果、ますます皮脂の分泌量が増えていってしまうのです。オイリー肌の原因は、肌の水分不足と皮脂の取りすぎにこそあるのです。

オイリー肌の改善には?

オイリー肌に陥ってしまう原因は、肌の乾燥と皮脂の取りすぎにありました。
ならば、解決方法はとってもシンプルです。

水分をたっぷり与えてあげよう

オイリー肌の根本原因である水分不足。それを解消するために、まずはたっぷりと水分を与えてあげましょう。その際、あえて高級化粧品を使用する必要はありません。

重要なのは質よりも量。デイリーユースの基礎化粧品で十分です。

水分補給だけでは足りない!

肌にたっぷりと水分を補給しただけでは、オイリー肌の改善には十分ではありません。もうひとつ必要なケアがあります。

それは油分の補給です。オイリー肌なのに皮脂のもとになる油脂分を与えてしまうのは、逆効果のようにも思えます。ですが、オイリー肌にならないためには、体が「水分不足・油分不足」と判断しないことが大切なのです。そのためには、油分も同時に補ってあげることが不可欠です。

オイリー肌のスキンケア

オイリー肌の方が、健康的な肌を目指すために必要なスキンケアのポイントについて紹介します。

洗顔後の水分補給

いつも使用している化粧水で構いませんので、その量をたっぷり惜しげもなく使用します。目安として、普段の3倍の量を使用してください。一気にぬるのは大変なので、時間をかけてゆっくりと肌に浸透させるように3回塗り重ねましょう。これで水分の補給はばっちりです。

水分補給後の油分補給

油分を補うためには、たっぷりの化粧水で水分を補った後に、乳液などで油分を与えてあげます。イメージとしては、水分が蒸発しないように油分で蓋をしてあげるイメージです。これも、高級化粧品でなくても十分。両手で顔をおおうように、しっかりと乳液を浸透させてあげてください。

皮脂を取りすぎない

日中など、メイクを治す機会もありますよね。そんな時、油トリ紙の使い過ぎは厳禁。かえって皮脂の分泌が増えてしまいます。

浮き出てきた皮脂を取り除くために油とり紙を使用するのは、じつはあまり得策とは言えません。油とり紙は皮脂を過剰に取りすぎてしまうからです。

代わりに使用するのはティッシュペーパーです。それも、ぎゅうぎゅう押し付けるように使用するのはNG!軽く肌にあてる程度にしましょう。

終わりに

テカテカ・ギトギトのオイリー肌の原因は肌の乾燥にありました。オイリー肌になってしまうのは、肌の防衛本能によるものだったのです。オイリー肌を解消するためには、水分と油分をしっかりと与えてあげることが肝心。毎日のスキンケアで十分な保湿を心がけるだけで、皮脂の過剰な分泌を抑える効果が期待できるのです。

今日から実践できるオイリー肌改善策!早速試してみてはいかがでしょうか?
清潔感のあるサラサラ肌を目指しましょう!

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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