ヒアルロン酸とは
保水力が特徴
ヒアルロン酸は『ムコ多糖類』の一種です。
知名度が上がったのは、ここ十数年のような気がしますが、実は、1934年に牛の目の成分の研究をしていて発見されました。
ねばねばしていて粘度が高く、それにより、水分を多く含むことができます。どれくらい保水できるかというと、ヒアルロン酸1gに対し、6lもの水をキープすることができます。
知名度が上がったのは、ここ十数年のような気がしますが、実は、1934年に牛の目の成分の研究をしていて発見されました。
ねばねばしていて粘度が高く、それにより、水分を多く含むことができます。どれくらい保水できるかというと、ヒアルロン酸1gに対し、6lもの水をキープすることができます。
生成量は年齢とともに減少
赤ちゃんの肌を表現するとき、「つるつる」「しっとり」「もちもち」などと言う言葉を用います。どれも水分がたっぷり含まれ、きめ細かな印象です。
それに比べ、年齢を重ねた肌は乾燥しやすく、ハリも少なくなってきます。この原因の一つは、水分を維持するヒアルロン酸の減少にあります。
ヒアルロン酸の生成量は、20代から徐々に減っていき、40代では赤ちゃんの50%、60代では25%まで低下すると言われています。
ヒアルロン酸は皮膚、目、関節などに多く存在するため、その量が減ると、美容への影響だけでなく、関節痛や動脈硬化といった病気にもつながってしまいます。
それに比べ、年齢を重ねた肌は乾燥しやすく、ハリも少なくなってきます。この原因の一つは、水分を維持するヒアルロン酸の減少にあります。
ヒアルロン酸の生成量は、20代から徐々に減っていき、40代では赤ちゃんの50%、60代では25%まで低下すると言われています。
ヒアルロン酸は皮膚、目、関節などに多く存在するため、その量が減ると、美容への影響だけでなく、関節痛や動脈硬化といった病気にもつながってしまいます。
ヒアルロン酸の種類
ヒアルロン酸は美容液、サプリメント、ドリンク、美容注射など、さまざまな美容製品に用いられています。しかし、すべて同じ成分というわけではなく、分子の大きさや生成の方法により、大きく4種類に分けられます。
ここでは、それらの特徴やメリット・デメリットをお伝えします。
ここでは、それらの特徴やメリット・デメリットをお伝えします。
●低分子ヒアルロン酸
『低分子ヒアルロン酸』は、その名の通り、人工的に粒子を小さくしたものです。
体内や皮膚から吸収されやすく、サプリメントや化粧品に多く用いられます。
しかし、その反面、持続性が弱いという特質もあります。
体内や皮膚から吸収されやすく、サプリメントや化粧品に多く用いられます。
しかし、その反面、持続性が弱いという特質もあります。
●高分子ヒアルロン酸
『高分子ヒアルロン酸』は、先ほどと反対に、粒子が大きいヒアルロン酸です。
肌に浸透しづらく、浸透速度も遅いという親しまれない印象もありますが、浸透させることができれば、保水力に優れいるため、水分の蒸発速度を遅らせてくれます。化粧品などでは、しっとり感が実感できるというメリットもあります。
肌に浸透しづらく、浸透速度も遅いという親しまれない印象もありますが、浸透させることができれば、保水力に優れいるため、水分の蒸発速度を遅らせてくれます。化粧品などでは、しっとり感が実感できるというメリットもあります。
●バイオヒアルロン酸
『バイオヒアルロン酸』は、乳酸菌やミドリムシ、ゾウリムシ、ストレプドコッカスを利用して作られています。
乳酸菌は腸内環境にも有利なので安心できますが、ストレプドコッカスは扁桃炎などの病気を引き起こす有害な菌なので、不思議に思われるかもしれません。しかし、バイオ技術が発達しているので、今のところは安全性が確認されています。
乳酸菌は腸内環境にも有利なので安心できますが、ストレプドコッカスは扁桃炎などの病気を引き起こす有害な菌なので、不思議に思われるかもしれません。しかし、バイオ技術が発達しているので、今のところは安全性が確認されています。
●天然ヒアルロン酸
『天然ヒアルロン酸』は、牛の目や鶏のトサカなどにから生成されています。
これらは、中国などでは古くから王宮料理として出されるほど、美しさの維持のために重宝されています。
自然由来のものなので、安心感も強いでしょう。
これらは、中国などでは古くから王宮料理として出されるほど、美しさの維持のために重宝されています。
自然由来のものなので、安心感も強いでしょう。
ヒアルロン酸の働き
ヒアルロン酸というと、美容効果を連想する方が多いと思いますが、その働きは美容目的だけにとどまりません。
ここでは、体内でも特にヒアルロン酸を多く含む、皮膚、関節、目の3つの部分に対するヒアルロン酸の働きをご説明します。
ここでは、体内でも特にヒアルロン酸を多く含む、皮膚、関節、目の3つの部分に対するヒアルロン酸の働きをご説明します。
●皮膚
ヒアルロン酸は、皮膚の細胞と細胞の間に根強く存在します。
水分を多く含んで保湿することで、ハリのある肌を作ったり、シワやたるみを予防したりしてくれます。
紫外線を過剰に浴びると、肌が炎症を起こしてシミができてしまいますが、この過程において、ヒアルロン酸が炎症を起こす因子を産生させない効力を持っていることが、最近発見されました。
つまり、シワやたるみだけでなく、シミも防いでくれるということです。
水分を多く含んで保湿することで、ハリのある肌を作ったり、シワやたるみを予防したりしてくれます。
紫外線を過剰に浴びると、肌が炎症を起こしてシミができてしまいますが、この過程において、ヒアルロン酸が炎症を起こす因子を産生させない効力を持っていることが、最近発見されました。
つまり、シワやたるみだけでなく、シミも防いでくれるということです。
●関節
関節は骨と骨のつなぎ目です。曲げ伸ばしするたびに骨同士がこすりあったのでは、痛くて耐えらないため、刺激を減らすために軟骨が骨を覆っています。
ヒアルロン酸は、この軟骨の間に水分を保持し、摩擦を小さくして動きやすい状態を保ってくれているのです。
ヒアルロン酸は、この軟骨の間に水分を保持し、摩擦を小さくして動きやすい状態を保ってくれているのです。
●目
目のレンズ裏側にある『硝子体』と呼ばれる部分は、ほとんどヒアルロン酸で構成されており、目の形を維持しながら、目に入った光を屈折させる働きを持ちます。
また、ヒアルロン酸には保水効果があるため、ドライアイや乾燥による目の疲れを防いでくれます。
目薬として使用すると、目の表面の傷も補修することができます。
また、ヒアルロン酸には保水効果があるため、ドライアイや乾燥による目の疲れを防いでくれます。
目薬として使用すると、目の表面の傷も補修することができます。
美容医療におけるヒアルロン酸
ヒアルロン酸注射とは
最近の化粧品や美容サプリメントには、ヒアルロン酸が必ずといって良いほど含まれており、いろいろな方法で取り入れることができます。
美容治療としてのヒアルロン酸注射も、かなり広まってきています。
ヒアルロン酸注射は、年齢を重ねるごとに出てくるシワやたるみなど、気になる部分に直接ヒアルロン酸を注射していくものです。
即効性に富んでいるのが特徴ですが、その効果は半永久的なものではなく、3ヶ月~半年程度の持続と言われています。
美容治療としてのヒアルロン酸注射も、かなり広まってきています。
ヒアルロン酸注射は、年齢を重ねるごとに出てくるシワやたるみなど、気になる部分に直接ヒアルロン酸を注射していくものです。
即効性に富んでいるのが特徴ですが、その効果は半永久的なものではなく、3ヶ月~半年程度の持続と言われています。
ヒアルロン酸注射の効果
ヒアルロン酸注射では、注入液自体の副作用がほとんどありません。
肌だけでなく、顔のさまざまなパーツに注入することで、以下のような効果が期待できます。
・肌:ハリや弾力を高め、保湿する
・鼻:鼻筋を協調する
・涙袋:ふっくらとさせ、愛らしいイメージにする
・口:ほうれい線を薄くし、口角を上げる
・顔の輪郭:リフトアップ
肌だけでなく、顔のさまざまなパーツに注入することで、以下のような効果が期待できます。
・肌:ハリや弾力を高め、保湿する
・鼻:鼻筋を協調する
・涙袋:ふっくらとさせ、愛らしいイメージにする
・口:ほうれい線を薄くし、口角を上げる
・顔の輪郭:リフトアップ
まとめ
ヒアルロン酸の種類や働き、美容効果などをご説明しました。
美容目的にだけ使われている印象がありますが、もともと人の身体に備わっているもので、関節や目などの働きを助ける重要な役割を担っています。
今後ますますヒアルロン酸の入った製品が増えると思いますが、種類や特徴を知り、自分の体質や目的に合った製品を選びましょう。
特に、ヒアルロン酸注射を考えている方は、信頼できる医療機関で事前にしっかりと説明を受けてから、実際に注射をするか決めていただければと思います。
美容目的にだけ使われている印象がありますが、もともと人の身体に備わっているもので、関節や目などの働きを助ける重要な役割を担っています。
今後ますますヒアルロン酸の入った製品が増えると思いますが、種類や特徴を知り、自分の体質や目的に合った製品を選びましょう。
特に、ヒアルロン酸注射を考えている方は、信頼できる医療機関で事前にしっかりと説明を受けてから、実際に注射をするか決めていただければと思います。
総合診療医
経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。
資格
医師免許
所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会