片野先生の経歴を簡単に教えてください

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ケアクル編集部(以下、ケアクル):片野先生の経歴を簡単に教えてください

片野彰彦先生(以下、片野):僕が鍼灸師になったきっかけは、叔母と父親が弱視で盲学校で鍼灸師の免許を取り鍼灸師をしています。 そして僕も将来そうなることもあるから、今のうちに免許をとっておきなさいということで免許をとりました。 実際になるかどうかはわからなかったけど、きっかけはそんな感じで、免許だけとっておいた感じです。

ケアクル:日本で鍼灸をされていたんですか?

片野:そうですね。 日本で7ー8年くらい整骨院だったり鍼灸の治療院だったりで働いていました。 また、日本いるときに、格闘家とロッククライミングをする人たちを診ていて、あとはサッカーのチームだったりとかにトレーナーとして行っていたりもしました。

なぜジャマイカで鍼灸師?

ケアクル:なぜジャマイカに来ようと思ったんですか?

片野:免許取る前にもともと音楽関係の買い付けのような仕事をしていて、20歳前後くらいに7〜8回くらいジャマイカに来ていました。 知り合いできて、日本をでて海外行きたかったこともあり、ジャマイカでワークパーミットを出してもらえるところがみつかりこっちに来ることになりました。

ケアクル:鍼灸師としてワークパーミットとれたんですか?

片野:ジャマイカにはNISHIDA GYMNASTICSといって、2020年オリンピック出場を目指して体操を教えているジムがあります。 このジムで選手をケアしたり、練習のメニューをつくったりといったトレーナーの仕事をしていて、ビザはトレーナーで取れました。

ケアクル:それが何年前ですか?

片野:2014年からなので、いまで5年目ですかね。 ワークパーミットを4回更新した感じです。

治療の状況を教えてください

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ケアクル:どんな方が治療にいらっしゃるんですか?

片野:在ジャマイカの日本人が3割くらいです。 大使館勤務の方だったり、海外青年協力隊の方だったり、寿司シェフだったりですね。 残りの7割は、比較的富裕層のジャマイカ人です。

ケアクル:治療費どのくらいですか?

片野:治療費はだいたい日本円で5,000円くらいもらうんですけど、5,000円って、(クラスが)下の人達にとっては、3〜4日分の給料になります。 だから、お金持ちの人しかこれないですね。 美容鍼だと20代が多いですね。治療では一番多いのは50代が多いです。

ケアクル:ちなみに男女比は?

片野:ジャマイカでは、ジェンダーに偏見がある方が多いので、男の人が男の人にマッサージを受けるということがそもそもないんです。 アメリカナイズされている人であったら、まぁまぁOKって感じですけど。 なので、僕のお客さんは9割女性になります。

ケアクル:1日何人くらい治療しますか?

片野:日によりますが、多ければ7〜8人くらいみることもあります。

ケアクル:施術の時間帯はどのくらいですか?

片野:基本的には、元気があれば24時間仕事できます。 音楽やる人、アーティストに呼ばれることがあるんですが、スタジオでセッションしているところになると、本当に夜中になったりすることもあるんで。 お金いっぱいもらうよって言って、やるんですけど、それだと夜中2、3時にいくこともあります。

ケアクル:ジャマイカのミュージシャンに治療するんですか?

片野:そうですね。 レコーディングしに世界中から人はくるんで、治療します。 いろんな人がいますけどね。

ケアクル:宣伝はどうされているんですか?

片野:今までの知り合いや口コミで来る方がほとんどですね。 たまにどうやって探してくるのかわからない人もいるんですど(笑)

ジャマイカの鍼灸事情

ケアクル:ジャマイカには鍼灸に関する法律はあるんですか?

片野:特に明確には存在しません。 ガバメント(政府)の人に聞いても、いけるよっていう人もいるし、だめだよっていう人もいる。 なんかのライセンスとればいけるっていう人もいるし、ドクターのオフィスにブランチを作ってもらう形でやればいけるっていう人もいるし、日本だと想像がつかないかもしれないですが、なんにしても誰かにお金を払わないといけない状況です。 ※ジャマイカでは賄賂が横行していると思います。

ケアクル:規則が無いから、質問された人によって変わる?

片野:グレーなのかブラックなのかはっきりしないですけど、僕の患者さんには、Ministry of Health(日本でいう厚生労働省)の人もきています。

ケアクル:ほかにジャマイカに鍼灸師はいるんですか?

片野: 鍼ですか?他にも中国人の人がいるって話も聞くし、もう帰ったってことも聞いたことがあります

ケアクル:そもそも鍼はジャマイカの文化に受け入れられているんですか?

片野:知ってはいますね。でも、身近ではないですね。いま、アメリカでDryNeedlingって流行っているじゃないですか?ジャマイカでそういうDryNeedlingをやっているトレーナーは知っています。

ケアクル:西洋医学以外を受け入れている感じはありますか?

片野:うーんと。。どうなんですかねぇ。。西洋医学の使い方も、日本とジャマイカは違うと思います。こっちはすごい強い薬も使うし、日本と治療の方針が違うと思います。日本は保険がきくから、何回もこさせますよね。こっちは一発で高い治療をしてお金を取るって感じ。 っていうのが、僕にしろジャマイカのドクターにしろ考え方がそうなっていきますよね。

ケアクル:マッサージはどうですか?

片野:マッサージみたいなのは、伝統的な治療ではありません。観光客相手に、ビーチでオイルつけてっていうのはよくみますよけどね。

ケアクル:地元の人がいくようなところではない?

片野:マッサージパーラーっていうのはよくあるんですよ。でも、それって、女の人がピンクなことをするところです。こっちでマッサージというと、ちょっとエロいことになります。女の人が受けるとなるとSPAってなるんですかね。

ケアクル:ジャマイカ人は“Natural”が好きですよね。手作り的な飲み物とか。

片野:そうですよね。

ケアクル:そしたら、鍼とかはナチュラルでケミカルではないので、受け入れられそうな気がします

片野:そうですね。。この国のナチュラル好きってRastaになるんですよね。でも、Rastaって逆に、体に鍼を打つっていうのはあんまり良くはない。※ラスタ: ウィキペディア参照(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ラスタファリ運動)

ケアクル:身体に侵害があるからってことですか?

片野:微妙なところですが、鍼を受けにくうるRastaもいるし、鍼はなしでマッサージだけでっていうRastaもいるので人それぞれですね。

ケアクル:Rastaの鍼っていうのは?刺絡的な感じがだめってことですか?

片野:結局、血を出すのがだめっていうことなんですよね。 身体を傷つけてはだめってことなんですけど、今は、ピアスを刺してるRastaもいっぱいいるから、鍼くらいなら受けるよっていうRastaも沢山いるけど、ちゃんとした人は、爪ですら石で削っている人もいるので、そういう人もいるみたいだし、なかなか難しいですね。一概には。。

ジャマイカならではだなって思うことはありますか?

ケアクル:ジャマイカならではだなって思うことはありますか?

片野:ジャマイカの人はスーパー保守的でけっこう頑固な人たちです。 知らないものには手を出しません。 食事もチキンとライス&ピーズだけで生きていける。 メニューのバリエーションも少なくどこのレストランに行っても、メニューはほぼ一緒です。 みんな毎日それを食べてますね。 ※ rice&peas:ジャマイカの国民食であるココナッツ風味の豆ご飯

ケアクル:ジャマイカで困ることはありますか?

片野:収入が安定しないのが一番きつかったです。 雨季に人がこないとか。 道路の状況が悪いので、雨が降ると道路が水で溢れるじゃないですか。 なので、雨が降るとお客さんは来ない。 ジャマイカの人は、雨降ったら、予約飛ばしていいって思ってますよ。 学校もいかなくてもいいって思っているし。 また、バケーションのシーズンも僕が診ている人って、がっつり1〜2ヶ月くらいアメリカにいっちゃったりするんですよ。 なのでバケーションのシーズンにガタッと収入が減ったりしてしまうんです。 また、この国の人はそもそも5時に来るって言って、6時に来たりとか。 1つの予約に対して倍の時間がかかるんです。 5時に予約をいれたら、次の予約は6時半か7時にしか予約いれられません。 5分前行動が当たり前の日本人の時間の概念とは、全く違うので(笑)

この後、海外に行きたいと思っている鍼灸師に一言

ケアクル:海外に行きたいと思っている鍼灸師に一言お願いします。

片野:ジャマイカもそうですが、海外で頑張るのはいろいろ難しいです。 僕が、その前にこっちにきてたコネもなく、いきなりいきなり来てはじめようとしても、そりゃ成立しなかったし、なんだかんだ縁がないと難しかったと思います。 縁があったとしても成功するとは限らないですが、やれるチャンスがあったら挑戦してください。 もし、失敗しても、その経験は次につなげていけますからね。

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