ボタニカルとは

『ボタニカル柄』『ボタニカルシャンプー』『ボタニカルヘアカラー』など、近年、『ボタニカル』という言葉を耳にする機会が増えました。ボタニカルと聞くと、自然やグリーンなどのイメージは湧いてくると思いますが、そもそもどのような意味なのでしょうか?

ボタニカルはもともと『植物』を意味する言葉ですが、最近では『植物由来の製品』を指すことが多くなっています。
例えば、植物の成分を配合した、ボタニカルシャンプーやボタニカルコスメなどのアイテムがあげられます。シャンプーやコスメは自然由来の成分を使用したものなので、低刺激で肌に優しく、安全性が高いと言われています。
また、ファッションやインテリアでは、植物をモチーフに描いたボタニカル柄もあります。人気の花柄や、アロハシャツなどもその一つです。
さらに、色としてのボタニカルも存在します。グリーンをはじめ、ラベンダーやイエローなど自然を連想させる色味が含まれます。

今回は、このようなボタニカル色を使った『ボタニカルカラーメイク』をご紹介します。
自然でありながら隙のないメイクをマスターし、季節感を取り入れましょう。季節ごとのおすすめカラーと、アイシャドウ、チーク、リップの色の組み合わせを解説します。

春色ボタニカルカラーメイク

アイシャドウ:ラベンダー
チーク:ラベンダー
リップ:ピーチピンク

春にオススメのボタニカルカラーは、『ラベンダー×ピーチピンク』です。
たくさんの花が花開く春には、桜を連想させる可愛らしいピンクなどパステルカラーがよく使われると思います。
ボタニカルカラーメイクでは、可愛らしさを感じさせつつ、より大人な雰囲気を作ってくれるラベンダー×ピーチピンクで上品な女性を演出します。

ラベンダー、ピーチピンクの特徴

どちらかと言えば寒色の要素が強いラベンダー色ですが、暖色の要素も持っています。そのため、寒色のクールな印象の中にも、暖かさと深みがあります。
ラベンダー色を使うと、気品やエレガントさ、冷静さを感じさせる大人っぽい雰囲気が演出できるはずです。

ピーチピンクは、通常のピンクに比べるとベージュよりのピンク色です。名前の通り桃のような少しヌーディーな色と言えます。
温和で人懐っこい雰囲気を出し、見る人を優しい気持ちにさせてくれます。

大人な印象のラベンダーで目元とチークを仕上げたら、口元にピーチピンクをプラスして、可愛いらしさも引き出しましょう。

春色ボタニカルカラーメイクのやり方

アイシャドウはラベンダー単色をまぶた全体にのせ、アンニュイな雰囲気を作るのがおすすめです。
また、バーガンディーなどを一緒に使ってグラデーションを作り、ふんわりとラベンダーを魅せても良いでしょう。

チークにもラベンダー色を合わせましょう。淡いピンクのチークと2色使いすると、より効果的にボタニカルなイメージを表現できるはずです。
最初に淡いピンクをチークに楕円形に入れ、次に上からラベンダーカラーを丸く重ねます。頬の1番高いところにラベンダーカラーがくるように入れると、丸みのある柔らかい印象に、頬骨に沿って外側に入れるとクールな雰囲気になります。

リップにはラベンダーと相性の良いピーチピンクを入れます。
自然な肌の色に近いピーチピンクは、色味が強くないのでグロスでつや感をプラスすると、可愛らしく仕上がります。口元の色を控えめにし、全体的に強くなりすぎないようにバランス良く色をのせましょう。

夏色ボタニカルカラーメイク

アイシャドウ:イエロー
チーク:オレンジ
リップ:イエロー

夏におすすめのボタニカルカラーは、『イエロー×オレンジ』です。
夏のボタニカルカラーメイクは、明るさと元気な雰囲気のでるイエローを基調にします。向日葵を思わせるようなオレンジやブラウンとの組み合わせで、夏にぴったりのポップさを演出しましょう。

イエロー、オレンジの特徴

暖色系の中でも、特に明るさのある黄色は、カジュアルな印象で気分も明るくさせてくれます。
幸福を感じさせたり、愉快さを表現してくれたりするポジティブな色ではありますが、注意を促す警戒色でもあるので、黄色は濃くしすぎないように使いましょう。

チークに使うのは、黄色よりも暖かさがあり、赤の強さを和らげたオレンジ色です。
陽気なイメージに加え、緊張を和らげて親しみやすさを感じさせるとされています。

黄色とオレンジの組み合わせで、ポップな明るさに柔らかさを足してバランスの良い印象に仕上げましょう!

夏色ボタニカルカラーメイクのやり方

イエローのアイシャドウを使ったことがないという方は多いと思います。派手になってしまいそうなイメージがありますが、実は肌馴染みが良く、イエロー単色でまぶたにのせるだけでも、目元がぱっと明るくなってオシャレに見えます。
単色で使うのに抵抗のある方は、目頭から中央にイエロー、目尻にブラウン系やゴールド系の色を入れてグラデーションにすると、落ち着いた印象になります。
また、下目尻だけにイエローを入れると、強調されすぎず、さりげないカラーメイクを楽しむことができます。

チークにはオレンジを使って色味をまとめましょう。
幅広く入れすぎると派手に見えてしまうため、頬から外側に向かって斜めに入れると、自然に仕上がります。
さらに、色の濃さをコントロールすれば、様々な印象を演出できます。

口元にはイエローのリップではなく、グロスを使いましょう。
イエローリップははっきりとした発色のものが多く、黄色くなりすぎてしまうことがあります。ほんのりとイエローを出すために、普段使っている赤系のリップの上からイエローのグロスを重ねて使います。

あまり使わない組み合わせのため、本当に合うか疑問に思う方もいると思いますが、赤リップにイエロー重ねて塗ることで、赤色が黄色味で緩和され、柔らかい仕上がりになります。
普段とは違った色味で、新しいオシャレを楽しみましょう。

秋色ボタニカルカラーメイク

アイシャドウ:オリーブグリーン
チーク:コーラルオレンジ
リップ:オレンジブラウン


秋におすすめのカラーは、『オリーブグリーン×コーラルオレンジ×オレンジブラウン』です。
秋の紅葉の頃には、オリーブグリーン色のファッションが増えますが、メイクにもオリーブグリーンを取り入れ、いつもとは違ったクールな目元に挑戦してみましょう!

オリーブグリーン、コーラルオレンジ、オレンジブラウンの特徴

オリーブグリーンは黄緑と緑色を合わせた、深みのあるスモーキーな色です。
深い森をイメージさせ、心を静めてリラックスさせる効果に加え、強さや格好良さも含んでいます。

コーラルは『珊瑚』を意味し、オレンジや赤やピンクを混ぜた色です。
コーラルオレンジは、コーラル色に含まれるオレンジをより強調した色です。単色のオレンジ色よりもしつこさがなく、より柔らかい雰囲気に見せてくれます。
目元にグリーン、チークにオレンジという反対色を使うことで、お互いの色を引き立てる効果も期待できます。

リップに使うオレンジブラウンは、名前の通りオレンジがかった茶色のことです。
温もりがあり、落ち着きや安心感を与えてくれる暖色の茶色にオレンジを混ぜ、表情に明るさを出しましょう。

秋色ボタニカルカラーメイクのやり方

オリーブグリーンは単色で使う場合にも、ブラウン系やゴールド系と合わせる場合にも、濃さや色味を調整してグラデーションにすることがおすすめです。
オリーブグリーン1色の場合には、薄くアイホール全体にのせ、上からまぶたの際にさらに色を重ねます。この時、薄く塗ったオリーブグリーンとの境目をぼかすと、よりナチュラルな雰囲気を作ることができますが、ぼかしすぎるとくすみが強くなってしまうため、さっと馴染ませる程度にしましょう。
ブラウン系、ゴールド系と合わせる場合には、ブラウンやゴールドをアイホール全体にのせ、まぶたの際にオリーブグリーンを使って境目をぼかします。目尻に少しブラウンを入れると、よりオリーブグリーンが引き締まり、大人っぽい印象になります。

チークには、オリーブグリーンと相性の良いコーラルオレンジを入れます。
はっきりとしたオレンジ色では、顔全体が濃い印象になってしまうため、ピンクがかった柔らかめのコーラルオレンジを使いましょう。
頬の少し内側に入れると、クールになり過ぎず、可愛い印象がプラスされます。

リップには、オレンジよりのブラウンを使います。バラバラの色を使って顔のパーツが浮くことのないように、チークとリップはオレンジ系でまとめています。ブラウンに抵抗がある方は、チークと同じコーラルオレンジでも良いでしょう。
オレンジブラウンの落ち着いた色味で、マッドタイプのリップを選ぶと、秋らしさを感じられるメイクに仕上がります。マッドタイプを使う時には、唇の乾燥が目立ってしまうので、保湿も欠かさずにしましょう!

冬色ボタニカルカラーメイク

アイシャドウ:ボルドー
チーク:ベージュ
リップ:ブラウンベージュ


冬におすすめのボタニカルカラーは、『ボルドー×ベージュ×ブラウンベージュ』です。
寒い冬には、クリスマスのポインセチアを想わせるボルドーを使い、血色を良くして暖かい印象のメイクを取り入れましょう!

ボルドー、ベージュ、ブラウンベージュの特徴

ボルドーは赤系の色の中でも、茶色の混ざった赤茶色に近い色です。
赤色の情熱的で前向きな印象に、茶色の落ち着いたイメージが重なり、知的な雰囲気を醸し出してくれます。
暖かさを感じさる暖色ではありますが、黄色と同じく警戒色でもあるので、使いすぎには注意しましょう。

ベージュは、茶色を白っぽくした色です。
茶色の持つ落ち着きや安心感に加え、肌に近い色のため、ナチュラルさや優しさも演出してくれます。
肌にほんのりと色づけし、大人なメイクに挑戦してみましょう。

リップに使うブラウンベージュは、茶色味の強いベージュのことです。
唇にも落ち着いた雰囲気のカラーを使うことで、バランスの良いメイクになります。チークより少しはっきりとした色をつけることで、血色が良く見えます。

冬色ボタニカルカラーメイクのやり方

ボルドーのアイシャドウを使う場合には、入れる幅に注意が必要です。膨張色のため、まぶたや目尻側に幅広く入れてしまうと、腫れているような目元になってしまうことがあります。
アイホールにはワイトやベージュ、ブラウンなどでベースを作り、ボルドーは目の際から離さないように入れるのがポイントです。
また、ボルドーのみで目を囲むと、ウルウルとした抜け感のある目元を作ることもできます。

チークにはベージュを使います。ナチュラルなベージュは、赤味の強いボルドーのアイメイクに良く合います。
アイシャドウに使用したボルドーをチークに一緒に使ってしますと、厚化粧に見えてしまいます。そのため、チークは肌の色に近いベージュで、ほんのり色をのせましょう。
頬の高めの位置に入れると、暖かさが増して血色の良い、愛され顔になるのでおすすめです。

リップにはブラウンベージュなどのヌーディーカラーを使います。
リップにもボルドーを入れると、大人っぽくオシャレな感じが出ますが、印象が強すぎることがあります。ナチュラルなブラウンベージュをリップに使い、目元のボルドーを主役に引き立てましょう。

ボタニカルカラーメイクのポイント

季節ごとのおすすめボタニカルカラーとメイク方法をご紹介しました。ボタニカルカラーをただ取り入れるのではなく、ボタニカルの本来の意味である植物のテイストを想わせるメイクにするために、ここでは、メイクのポイントをご紹介します。

ボタニカルカラーはナチュラルメイクで

メイクで自然な雰囲気を出すために重要なのが、素肌感と透明感です。
普段使わないカラーを使うとバッチリメイクになりがちですが、ボタニカルを感じさせながら、ナチュラルメイクに仕上げる方法をマスターしましょう。
ボタニカルカラーを使っていない部分もナチュラルにすることで、カラーを引き立たせて全体のバランスも整えることができます。
また、ボタニカルカラーメイクに慣れていないうちは、ボタニカルカラーを部分的に使ったり、薄めに塗ったりすることで、失敗せずにメイクを楽しめると思います。

・ベースメイク

素肌感を出すために重要なのがベースメイクです。
ファンデーションが濃くなってしまうと厚化粧で老けた印象になってしまいます。シミなど気になる部分をコンシーラーやコントロールカラーでカバーし、その上からうっすらとファンデーションを塗りましょう。
艶のあるナチュラル肌に仕上げるには、リキッドファンデーションなどがおすすめです。
また、ベースメイクを薄くするために肌の保湿などスキンケアも欠かさずに行いましょう。

・アイライナー

目元を囲むようなアイライナーはバッチリメイクに見えてしまいます。上まぶたにラインを入れたら、下には引かないのがナチュラルメイクのポイントです。
色はブラックではなく、ブラウンを使うことで、柔らかく透明感のある目元に仕上がります。

・マスカラ

マスカラは塗り過ぎないように注意しましょう。上まつ毛だけ塗り、下まつ毛には塗らないようにすると控えめで自然なバランスになります。
マスカラには様々なタイプがありますが、まつ毛が濃く見えるボリュームタイプよりも、長く見えるロングタイプがおすすめです。
重ね塗りはあまりせず、1、2回さっと塗ると、ナチュラルで上品な目元に魅せることができます。

おわりに

ボタニカルカラーメイクは、自然な色味で透明感のある女性らしさを引き立ててくれます。四季の自然の美しさを感じさせるボタニカルカラーメイクを使いこなすことができれば、オシャレで魅力的な女性を演出することができるでしょう。
色の持つ効果を頭に入れ、相手に与えたい印象や自分をどう表現したいのかを考えながら色を選べば、さらにメイクを楽しめると思います。
気分を高めたい時や特別な日には、普段使わないカラーを使い、マンネリしがちなメイクに一工夫加えましょう。そうすれば、気分も明るく弾むはずです!

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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