ホワイトニングとは

ホワイトニングとは、美容の世界でよく使われる用語のひとつです。もちろん、歯科でもホワイトニングという言葉は使われています。歯科ではホワイトニングという言葉は、「歯を白くする」という意味で用いられています。

ホワイトニングの方法

歯のホワイトニング

一般的に歯科医院で受ける歯のホワイトニングといえば、歯の漂白を意味します。
その方法は、歯科医院で歯科医師が行なうオフィスホワイトニングと、自宅で自分で行なうホームホワイトニング、そして、その両方を同時に行なうデュアルホワイトニングの3種類あります。
オフィスホワイトニングでは過酸化水素を、ホームホワイトニングでは過酸化尿素を使って歯を漂白して、透明感のある白いきれいな歯にします。
着色汚れが残っていると、ホワイトニングの薬剤の付き具合にムラが生じるため、ホワイトニング後の歯に色ムラが起こる原因になります。そのため、ホワイトニングに先立ってあらかじめ歯の着色汚れは取り除いておかなければなりません。

歯のクリーニング

歯の表面を爪楊枝や爪でこすってみると、白いカスのようなものが取れてきます。これがプラークや歯垢とよばれるものです。プラークの正体は細菌の塊で、むし歯や歯周病の原因菌はその中にいます。
歯石とは、このプラークが古くなって石の様に硬くなったもののことです。その表面はデコボコだらけで、さらに新しくプラークが付着しやすくなっています。
歯のクリーニングでは、歯についたプラークや歯石を取り除き、歯の健康を害する細菌を取り除きます。
その目的はあくまでも細菌やその温床を取り除き、歯の健康を守ることですが、その過程で歯の着色汚れもとれてくるので、結果的に歯もきれいになり、その歯の本来もっている白さになります。
つまり、ホワイトニングと歯のクリーニングはどちらも歯を白くしてくれるのですが、その方法は全く異なる処置なのです。

ホワイトニング歯みがき粉の効果

現在、我が国では歯磨き粉に漂白効果のある成分を配合することは認められていません。そこで、歯磨き粉に配合している研磨剤に工夫したり、汚れを浮き上がらせるような成分を加えたりして、歯の着色汚れを効率的に取り除くようにしています。

ホワイトニング歯みがき粉を選び方

ホワイトニング歯みがき粉を選ぶときのポイントを紹介します。

ホワイトニング成分

ホワイトニング歯みがき粉の多くは、ポリエチレングリコール、マクロゴール400、ポリビニルピロリドン、ピロリン酸ナトリウムなどの歯の着色汚れを溶かしたり、浮かび上がらせたりするホワイトニング成分を配合しています。
たばこのヤニが気になる、コーヒーの着色が多いなど、着色汚れの原因や症状は各人で異なります。
ホワイトニング成分に着目して、ご自身の汚れに適したものを選ぶといいでしょう。

研磨剤

粗い研磨剤が配合してあると着色汚れが落ちやすいのですが、反面、歯を削ってしまう恐れもあります。選ぶなら研磨剤が強くない、もしくは研磨剤が入っていない歯みがき粉をおすすめします。
ホワイトニング歯みがき粉を選ぶ時、研磨剤についてもどのような成分が配合されているかに注意しておいた方がいいでしょう。
もし、パッケージをみてもよくわからないときは、取り扱っている歯科医院やドラッグストアにお尋ねになってみてください。

フッ素

フッ素が歯を白くしてくれるわけではないのですが、フッ素にはむし歯を予防する効果があります。
むし歯になると、歯の色が茶色、こげ茶色、黒色に変色してしまいます。
むし歯を予防することも歯をきれいな状態に保つためには大切なことです。したがって、フッ素が配合してある歯みがき粉を選ぶことをおすすめします。

おすすめのホワイトニング歯磨き粉

ルシェロ 歯みがきペースト ホワイト

GCが発売しているホワイトニング歯みがき粉です。
歯みがき粉が弱アルカリ性になっており、歯の表面についた汚れを溶かして取り除きます。
タバコのヤニのような頑固な汚れには、ポリエチレングリコール(PEG)400によって分解して除去します。
研磨剤には、歯に優しいLime粒子を使っています。そのため、歯を傷つけることなく汚れを落とします。
もちろん、フッ素も配合されていますので、むし歯予防効果もあります。

ブリリアント モア

ライオンが発売している歯みがき粉です。
爽快感のあるフレッシュスペアミントと甘くルフーティなアプリコットミントの2種類あります。
ピロリン酸ナトリウムを配合してあり、歯の表面についた汚れを浮き上がらせることで、除去しやすくしています。
この商品にもフッ素が配合してありますので、歯を白くするだけでなく、むし歯を予防する効果もあります。

オーラツーミー ステインクリアペースト

サンスターが発売しているホワイトニング歯みがき粉です。
ナチュラルミントタイプ、ピーチリーフミントタイプの2種類ラインナップされています。
歯の着色汚れを溶かすために、POEアルキル(12〜14)スルホコハク酸2ナトリウムを配合しています。これによって、歯の着色汚れを溶かしだし、新しい汚れがつきにくくします。
研磨剤にも工夫してあり、3種類のシリカを配合することにより、歯の表面についた着色汚れをしっかり取り除きます。

オーラツーミー ステインクリアペースト マイルド

こちらもサンスターが発売している歯みがき粉です。
マイルドタイプは、フローラルホワイトティーミントのみのラインナップになっています。
基本的な成分はオーラツーミー ステインクリアペーストと同じですが、研磨剤のシリカに違いがあり、マイルドタイプのほうが、歯によりやさしくなっています。

アパガード リナメル

サンギが発売している歯みがき粉です。
アパガードは、独自成分であるナノ粒子薬用ハイドロキシアパタイトmHAPの働きで歯についた汚れを取り除く歯みがき粉なのですが、このアパガード プレミオは、このナノ粒子を他のアパガードの2倍も配合しているのが特徴です。
高配合化することによって、歯の汚れを積極的に取り除きます。
タバコのヤニを溶かすための成分として、マクロゴール400やポリビニルピロリドンを配合しています。
また、歯を磨いた後に光沢感のあるきれいな状態にするためにパール成分も配合しています。

まとめ

ホワイトニング歯みがき粉は、自宅で手軽に歯を白くしたいときに最適の歯みがき粉です。
いろいろなメーカーが、それぞれに特色を持たしてさまざまな製品を発売しています。
そのため、選ぶときには迷ってしまうことと思われますが、成分や研磨剤に着目して選ぶと、ご自身に適した歯みがき粉を見つけることができるでしょう。

監修

・日本口腔外科学会専門医、日本口腔科学会認定医 見立英史

・日本口腔外科学会専門医、日本口腔科学会認定医 見立英史

専門分野
歯科、口腔外科

経歴
九州大学歯学部卒業。2003年歯科医師免許取得。2009年博士号(歯学)取得。九州大学病院顎口腔外科医員。2011年医療法人仁慈会西原歯科勤務。2013年九州大学病院顎口腔外科助教。2016年福岡歯科大学口腔外科助教。2018年長崎大学病院 顎口腔再生外科

資格
歯科医師免許
日本口腔外科学会専門医
日本口腔科学会認定医

所属学会
日本口腔科学会
日本口腔外科学会
日本口腔腫瘍学会

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