はじめに

健康に対したくさんの方が関心を持っている昨今、たくさんの健康グッズやセルフケア用品が開発されています。

その中でも、健康だけでなくスポーツ競技におけるパフォーマンス向上や姿勢修正など様々な分野で活躍しているのが『ストレッチポール』です。今回は、ストレッチポールについて効果的な運動や使用方法、価格についてまとめてみました。

ストレッチポールとは

『ストレッチポール』とは、LPN社が開発した商品です。体の凝りを自分でほぐすために作られたアメリカの『フォームローラー』を改良して作られたもので、直径15㎝、約100㎝の長さの円柱状のポールです。

そのポールの上に仰向けに寝るだけで、ゆっくり体の緊張を緩ませることができたり、その上で様々なエクササイズを行うことで骨盤の歪みを矯正したり、呼吸がしやすくなったり、副交感神経が優位になってリラックスできたりと色々な効果が期待できる道具です。

元々は健康グッズとして使われ始めましたが、現在では医療現場や美容、スポーツ競技の現場でも幅広く使われるようになり、知名度は高まってきています。

ストレッチポールを効果的に活用した運動とは

ストレッチポールを使用したエクササイズについては、たくさんのトレーナーや治療家が独自のものを提案していますが、まずはLPN社が基本的な使用方法として推奨している『ベーシックセブン』を習得していただくのがよいでしょう。

筋肉を緩めることや副交感神経を優位にすることなど、ストレッチポールの効果とされていることに対して理にかなった内容になっているのでご紹介します。これをクリアしたら、自分なりの工夫をしたり、その他の様々なエクササイズに挑戦していきましょう。

1. 床磨き運動

基本姿勢(次の項で説明)でストレッチポールの上に乗り、少し脇を開いて両手のひらを床につけるように置きます。手のひらで小さな円を描くようにゆっくり手を動かします。

2. 肩甲骨の運動

基本姿勢から『前ならえ』のように手を天井に伸ばします。そこからさらに天井に届かせるように肩甲骨をストレッチポールから浮かして伸ばし、ゆっくり下ろすを繰り返します。

3. 鳥の羽ばたき運動

手のひらが上向きになるように手を床の上に置きます。鳥が羽ばたくようにゆっくりと腕を動かし、脇を広げたり閉じたりします。広げるときは肩の周りが少し突っ張って抵抗を感じたところで下ろすようにします。

4.ワイパー運動

膝を伸ばして踵が床につくようにし、足幅はストレッチポールの直径くらいに開きます。足の力を抜き、踵を軸にして足がワイパーになっているようにつま先を左右に小さく動かします。

5. 膝ゆるめ運動

『ワイパー運動』の姿勢から膝を少し曲げて浮かしては力を抜いて下ろす動作を繰り返します。

6. 小さなゆらぎ運動

基本姿勢に戻り、左右の肩甲骨の間をストレッチポールが行ったり来たりするようにゆらゆらとストレッチポールの上で体を揺らします。

7. 呼吸運動

基本姿勢でゆっくり呼吸をします。

ストレッチポールの効果が出やすい使い方

ストレッチポールにはたくさんの使い方がありますが、いずれのエクササイズを行うにあたっても次の流れに沿って行うとより効果を感じることができるようになりますので是非行ってみてください。

1. セルフモニタリング

ストレッチポールに乗る前後の体の変化を正確に比較するためには、まず現時点でのご自分の体を評価する必要があります。これを『セルフモニタリング』と言います。

肩幅に足を開いて直立したときの重心の位置、足の指はどうなっているか、床に仰向けに寝たときに床についている部位、床から浮いている部位はどこなのかといったことを確認します。次に、立った状態で腰を左右に捻ったり横に倒したりして可動域やその左右差を比べてみます。腰と同じように首も動かしてみましょう。

ストレッチポールに乗って体がほぐれたあとはこれらの動き方なども変化してきますので、その前後を比較することで効果を感じやすくなります。

2. 基本姿勢

ストレッチポールの上でエクササイズを行うにあたって、まずストレッチポールの上に仰向けに寝ます。
その基本姿勢が上手くとれなかったり、ストレッチポール上で体の力が入ってしまうとせっかく行うエクササイズの効果も半減してしまいます。

ストレッチポールの上でリラックスできる姿勢をとること、そのためには正しいストレッチポールの乗り方や降り方を覚えましょう。

1) 乗り方
ストレッチポールの端にまたがるようにしてお尻を乗せ、上体を後ろに少し倒しながら手を床につきます。そのままゆっくり倒れながらストレッチポールの上に仰向けになり、後頭部からお尻までがポールの上に乗るようにします。ストレッチポールの上で安定したら、体の力を抜いてゆっくりと深呼吸をします。

2) 降り方
ストレッチポールの上からお尻を左右どちらか横にずらします。そのまま体もゆっくりとストレッチポールの横にずれ落ちるようにします。腹筋や背筋を使ってストレッチポール上で起き上がってしまうとせっかくエクササイズで緩んだ筋肉がまた緊張してしまうので、効果を最大限持続させるためにもこの降り方をやるようにしてください。

3. 部位別エクササイズ

リラックスしてただ乗っているだけでも十分効果の感じられるストレッチポールですが、痛みのある部位や凝って張りを感じる部位など特にケアしたい部位がある方のために、部位別のエクササイズがあります。肩・肩甲骨、背骨、体幹、股関節・下肢と分かれていますので、ご自分が必要なエクササイズを行って下さい。

この『セルフモニタリング』→『基本姿勢』→『部位別エクササイズ』をひと通り行った後に、再び『セルフモニタリング』を行ってください。

ストレッチポールの価格

LPN社のストレッチポールには3種類の商品があります。

1. ストレッチポールEX

最も基本的なストレッチポールで、通常価格は税込み9180円です。
直径が15㎝で、身長155㎝以上の方が使用の対象となっています。
ストレッチポールMXよりも硬い素材になっているので、ほぐす力は強い一方で、乗り心地としては痛みを感じてしまう方がおられますので、男性や凝りの強い女性に向いています。

2. ストレッチポールMX

ストレッチポールEXよりも直径が小さく、12.5㎝となっているもので、通常価格は税込み9720円です。芯の部分の素材もストレッチポールEXよりもやや柔らかい素材となっているので、優しい乗り心地になっており、子どもや女性に人気の商品です。

3. ストレッチポールハーフカット

ストレッチポールEXと同じ直径のものを半円状にカットしたものが2つセットになっている商品で、通常価格は税込み7020円です。円柱状だとグラグラして不安である高齢者や怪我のある方、背中が硬く動きの悪い方などにおすすめです。

この3種類が正規のストレッチポールになりますが、現在他社から似て非なる製品が多々販売されています。安価であることから他社の製品を購入する方もおられ、それでも効果が感じられるようであれば構いませんが、正規のストレッチポールは背骨をほぐしたり、骨盤矯正をするのに最適な硬さの素材で製造しておりますので、安価な商品を購入する際にはそのあたりのことも考慮した上でご検討ください。

おわりに

ストレッチポールは多くの方に愛され使用されています。
それだけに、調べればエクササイズ本やインターネットなどストレッチポールの情報を得る機会はたくさんあります。

初めて挑戦される方は安全に高い効果を得るためにも体のことやストレッチポールのことをよく理解している専門家の指導を受け、しっかりとセルフケアができるようにしましょう!
参考文献・参照
http://stretchpole.com/ Stretchpole
https://stretchpole-blog.com/stretchpole/stretchpole-use ストレッチポール公式ブログ 

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

関連する記事

関連するキーワード

著者