はじめに
「お酒は20歳から」といわれるお酒ですが、これにはきちんとした理由があります。お酒にはアルコールが含まれており、未成年だと、よりアルコールが脳や精神の発達に影響を及ぼしやすいためです。ですが、このアルコールは未成年でなくても、少なからず様々な影響を及ぼします。特に注意したいのが「アルコール依存症」です。これはアルコールに依存性があるために引き起こされます。このアルコール依存症とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
アルコール依存症とは
アルコール依存症とは、薬物依存症の1つで、主にお酒に含まれるアルコールの摂取によって引き起こされます。アルコールは体内に入ると、脳で「ドパミン」や「セロトニン」といった快楽物質を分泌させます。そのため、お酒を飲むと気持ちよくなったり、気分が大きくなったりします。ですが、これには依存性があり、お酒が体内に入ることで快楽を得られるため、脳はアルコールをもっとほしがるようになります。そのため、同じ量ではだんだんと足りなくなって、だんだんと飲酒量が増えていき、次第に自分で飲酒衝動をコントロールできなくなります。これがアルコール依存症の正体です。
アルコール依存症の兆候
アルコール依存症の兆候としては、夜の寝つきが悪くなったり、お酒を飲まないと落ち着けなくなります。また以前に比べて飲酒量が増えたり、飲酒の回数が増えたりするのもアルコール依存症の兆候の1つだといえます。また日常生活でも、お酒が飲めなくてイライラしたり、仕事でのミスが多くなったりすることがあります。中には飲酒によって、記憶があいまいになったり、飲酒中のことを覚えていないなどといった症状が出ることもあります。
アルコール依存症の症状
アルコール依存症の症状としては、イライラしたり落ち着かないことが増えてきます。さらには飲酒が原因で様々な問題が浮上してきます。例えば飲酒により友人や家族と言い争いやけんかになる、会社に遅刻・欠勤してしまう、深酔いしすぎて家に帰れない、二日酔いで具合が悪くなる、など、身体的な場面だけでなく、人間関係や社会関係などにも影響が出てくることがあります。
さらにアルコール依存症になると、離脱症状が出始めることがあります。離脱症状は早期と後期の2種類に分かれ、早期離脱症状は飲酒後2~3時間程度で現れ始め、後期離脱症状は飲酒後2~3日後から現れ始めるといわれています。
さらにアルコール依存症になると、離脱症状が出始めることがあります。離脱症状は早期と後期の2種類に分かれ、早期離脱症状は飲酒後2~3時間程度で現れ始め、後期離脱症状は飲酒後2~3日後から現れ始めるといわれています。
早期離脱症状
早期離脱症状としては以下のものがあげられます。
・手足の震え(震戦)
・発汗(特に寝汗)
・なかなか眠りにつけない、熟睡できない
・気分不快、嘔吐
・血圧上昇、頻脈、不整脈
・イライラする、落ち着かない
・軽い幻覚、幻聴
・痙攣発作
・手足の震え(震戦)
・発汗(特に寝汗)
・なかなか眠りにつけない、熟睡できない
・気分不快、嘔吐
・血圧上昇、頻脈、不整脈
・イライラする、落ち着かない
・軽い幻覚、幻聴
・痙攣発作
後期離脱症状
後期離脱症状は以下のものがあげられます。
・激しい手足の震え
・著しい発汗や発熱
・幻視(本来ないものが見える)
・恐怖感、うつ、不安
・見当識障害(自分のいる場所や時間がわからない)
・激しい手足の震え
・著しい発汗や発熱
・幻視(本来ないものが見える)
・恐怖感、うつ、不安
・見当識障害(自分のいる場所や時間がわからない)
このように離脱症状が出始めると、これらの症状から逃れるために、さらに飲酒をするという悪循環に陥ってしまいます。これがアルコール依存症の怖いところです。
また、これらの症状が原因で、家庭内トラブルや職場でのミスの連発などを引き起こしてしまい、日常生活や社会生活が困難になります。また判断力も低下することで事故などをおこしてしまったり、飲酒運転をしてしまうこともあります。これにより家庭の崩壊や社会的信頼を失うことにもつながります。
また、これらの症状が原因で、家庭内トラブルや職場でのミスの連発などを引き起こしてしまい、日常生活や社会生活が困難になります。また判断力も低下することで事故などをおこしてしまったり、飲酒運転をしてしまうこともあります。これにより家庭の崩壊や社会的信頼を失うことにもつながります。
アルコール依存症の予防法
このように、アルコール依存症に陥ると、様々な症状が現れます。そのため、アルコール依存症にならないために日ごろからできる予防法をご紹介します。
アルコール依存症の怖さを知る
まずはアルコールについて正しい知識を持つことが大切です。アルコール依存症になってしまうと、精神的・身体的な症状だけでなく、社会的にも様々な影響が出ます。アルコール依存症は、アルコールの過剰摂取が原因です。最初は自制心が働いても、次第に量が増えるとなかなか自分ではコントロールできなくなってしまうので、アルコール依存症の怖さを知り、正しい知識を身につけましょう。
休肝日を設ける
お酒を飲まない「休肝日」を設けることも必要です。目安としては、1週間に2日以上設けることが望ましいとされています。この休肝日を設けても、次第に守れなくなるとアルコール依存症に一歩近づいていることになります。そのため、休肝日を設けたら、ぜひ守るようにしましょう。
一日に飲んでよい飲酒量を設定し、ルールを守る
一日の飲酒量は適度にしましょう。適度な飲酒量とは、アルコール20g分だといわれています。具体的例としては以下の通りです。
・ビール……500ml
・日本酒……1合
・ウイスキー……60ml
・ワイン……200ml
・チューハイ……7%のもので350ml
・焼酎……25%のもの100ml
この量であれば、翌朝まで持ち越すことなく、十分体内でアルコール分解されるといわれています。そのため、一日の飲酒量の上限は、上記の値を超えないように注意しましょう。
・ビール……500ml
・日本酒……1合
・ウイスキー……60ml
・ワイン……200ml
・チューハイ……7%のもので350ml
・焼酎……25%のもの100ml
この量であれば、翌朝まで持ち越すことなく、十分体内でアルコール分解されるといわれています。そのため、一日の飲酒量の上限は、上記の値を超えないように注意しましょう。
おわりに
飲酒のしすぎでアルコール依存症になってしまうと、精神的、身体的、さらには社会的に様々な問題が起こります。そのため、アルコール依存症の怖さを知り、飲酒について正しい知識をもつことが大切です。そのうえで深酒を避けて適正量を守るようにしましょう。
アルコール依存症もほかの病気と同様、早期発見・早期治療が大切です。アルコール依存症の兆候が表れ始めたら、まずは飲酒の量をセーブすることから始めてみてください。そして連日飲酒をする習慣があれば、休肝日を設けましょう。また家族に相談するのも一つの方法だと思います。アルコール依存症にならないように、うまくお酒と付き合いましょう。
アルコール依存症もほかの病気と同様、早期発見・早期治療が大切です。アルコール依存症の兆候が表れ始めたら、まずは飲酒の量をセーブすることから始めてみてください。そして連日飲酒をする習慣があれば、休肝日を設けましょう。また家族に相談するのも一つの方法だと思います。アルコール依存症にならないように、うまくお酒と付き合いましょう。
総合診療医
経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。
資格
医師免許
所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会