ワセリンとは

ワセリンは、原油から抽出された成分で作られた保湿剤です。
化粧水や美容液が皮膚の表面の角質層に水分として浸透していくのに対し、ワセリンは角質層の表面にとどまって、皮膚から水分が蒸発したり、皮膚に刺激物が接触することを防ぎます。
化粧水や美容液のあとによく使われている保湿クリームに近い存在のように考えて良いでしょう。

ただし、保湿クリームのように肌にとってプラスとなるような美容成分は含まれていませんが、逆に肌への刺激となるような添加物も含まれていないので、敏感肌にも使いやすい保湿剤といえます。
そのような性質から、効果の強い様々な薬と混ぜて薬を薄めたり、塗りやすくするために使用されることもあります。

ワセリンの種類

大きく分けると、ワセリンには黄色ワセリンと白色ワセリンの2種類があります。

1. 黄色ワセリン

脱色をしていないので、原油から抽出された成分の黄色い色が残っていますが、味や臭いはありません。
白色ワセリンに比べて精製度が低いため、値段が安いのが特徴です。
しかし、純度が低い分、刺激物に弱い敏感肌の方などは、顔などへの使用を控えた方が良い場合もあります。

2. 白色ワセリン

黄色ワセリンを脱色して精製したものなので、黄色ワセリンに比べて精製度が高くなります。
白色ワセリンの中にも製品によって純度や価格が異なり、主な商品を細かく分類すると3種類あります。

・白色ワセリン
代表的なものとして、健栄製薬の日本薬局方の『白色ワセリン』があります。いわゆる一般的な白色ワセリンで、黄色ワセリンより精製度が高いだけに値段も少し高くなりますが、50g/300円が相場です。敏感肌の方でも炎症を気にせずに体中に使えるだけの精製度です。

・プロペト
白色ワセリンをさらに精製したものが『プロペト』です。50g/500円/程度で、目元などの皮膚の薄く弱い場所や乳児の顔にも塗ることができます。

・サンホワイト
プロペトをさらに精製したものが『サンホワイト』で、50g/1000円と高価になります。白色ワセリンの中で最も純度が高く、皮膚の弱い赤ちゃんや、プロペトでもかぶれてしまう敏感肌の方でも使えます。

ワセリンのいろいろな使い方

ワセリンには様々な使い方があります。
ここでは、肌に優しく保湿効果も高いワセリンの使い方をご紹介します。

1. 肌の乾燥防止

ワセリンには肌を保護して皮膚からの水分の蒸発を防ぎ、乾燥を防止させる効果が期待できます。
製品にもよりますが、余分な成分がほとんど入っていないので、デリケートゾーンや目の周りなど、薬を塗りにくいところにも気楽に使用することができ、かつ効果も高いためとても便利です。

2. アトピー性皮膚炎対策

アトピー性皮膚炎にはかゆみが伴います。発疹などが出ていない部位でも、かき傷のある皮膚からは、水分が蒸発して乾燥しやすくなっています。その乾燥がかゆみにつながり、悪循環を招きます。
そこで、発疹の出ていない部位にワセリンを塗り、皮膚を保護しておくことで、乾燥を防ぎかゆみを予防することができるのです。このように、アトピーの対策としてもワセリンは大変効果的です。

3. 乳幼児の肌に

乳児湿疹やおむつかぶれなどがあり、乳幼児の肌に塗り薬を塗ってあげたいと思っても、乳幼児はすぐ擦りとって舐めてしまうため、塗り薬は何かと心配が多いです。
しかし、ワセリンであれば、肌に一度塗ったものが口に入る程度の量であれば、まず体に害となることはないので、安心して使用できます。

4. リップクリームとして

唇の乾燥に対してもワセリンは効果的です。さらに口紅の下地としてワセリンを使用すると、唇の保湿をしながら口紅の発色が良くなり、一石二鳥です。

5. 手荒れ防止

軽度の手荒れであれば一般的なハンドクリームを使用することで改善されます。
しかし、一日に何度も食器用洗剤などを使用し、皮脂のバリアがなくなっている場合は、いくらハンドクリームをつけても水仕事をするたびに流れてしまいます。
ワセリンは親水性が低いので、一般的なハンドクリームに比べて少々の水仕事では落ちません。皮脂の代わりになって手を保護してくれるので、手荒れ防止に役立ちます。

7. マメ・靴づれ予防

踵など靴と足との摩擦が起きやすい場所にワセリンを塗ってから靴を履くと、摩擦が軽減され、マメや靴づれの予防になります。
また、慣れないヒールなどの場合、疲労の軽減にもつながります。

7. 花粉症対策

鼻の中にワセリンを塗ることで鼻の粘膜が保護され、花粉が粘膜につくことを防ぎます。綿棒などを使用し、優しく鼻の粘膜を覆いましょう。

ワセリンでリップパック

上記で説明したように、ワセリンには効果的な使い方がたくさんあります。
ここでは、そのひとつである唇の乾燥防止のやり方について詳しく説明していきます。

ワセリンは、リップクリームの代わりに塗ると高い保湿効果を得ることができます。もちろん、そのままワセリンを唇に塗るだけでもよいのですが、さらなる効果を期待する場合には『リップパック』がおすすめです。
では、『リップパック』のやり方をご紹介します。

1. ラップを使ったリップパック

①自分の唇を覆えるサイズの食品用ラップを用意する
②ワセリンとハチミツを1:1で混ぜたものを作り、唇に塗る
③ラップをその上から乗せて5~10分放置する
④時間が経過したらラップを外し、ティッシュまたはぬるま湯で軽く落とす

この方法は、お風呂の中で行うとより効果的です。落とす時にこすると唇に刺激を与えてしまうので、こすらないように注意しましょう。ハチミツが苦手な場合は、ワセリンのみでもある程度の効果は期待できます。

2. マスクを使ったリップパック

①唇に少し厚めにワセリンを塗る
②その上からマスクをする
③ワセリンが落ちない状態でなるべく長時間放置する
 
長時間の場合は、寝ている間に行うのが最適です。

まとめ

このように、ワセリンは様々な症状に対応でき、肌にも優しいため、常備しておくと何かと便利なアイテムです。
とはいえ、全ての症状に万能なわけではありませんので、ワセリンが肌に合わなかったり、ワセリンを使用しても症状が改善しなかったりする場合は、早めに皮膚科などを受診することをおすすめします。

ワセリンを上手く活用し、乾燥など様々な肌トラブルを解消してみてはいかがでしょうか?

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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