現在の活動について

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ケアクル編集部(以下、ケアクル):現在は、どんな活動を展開されているのでしょうか?

杉本容さん(以下、杉本):現在は、今の医療界における交通事故対応のレベルアップとアップデートを目指して活動しています。 その手段として、勉強会を主宰しています。

交通事故の勉強会はなんだか胡散臭いと思われてしまうことがあります。 そんな部分を払拭するために、ブログやSNSを用いて発信をしています。 その情報を見てもらった上で興味を持ってもらい、勉強会にきていただければと思っています。 結果的には、来ていただいた方々には思っていた以上に良かったです。という感想をいただくことは多いです。

講義の話を聞いているうちに、『嫌な汗をかいた』『あんなことを気がつかないうちに患者さんにやっちゃっていたな。』というような声も聞きます。 ただそこは責められた気持ちにならず、反省するところはしてもらい明日からは少なからずやれることをやろうよ。というスタンスで臨んでいます。

また、私の勉強会ではお金が単純に入るみたいな話はしておりません。 根本となる制度を理解することで、保険会社とのやり取りや患者さんとのやり取りが結果的にうまく行くようになります。 実際の内容では、『ああこれがあるからそういうことなのか』『この間勉強会で聞いたのはこのことか』という気がつける知識提供ができればと考えて勉強会を実施しています。

交通事故の勉強会をはじめた経緯

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ケアクル:これまでの経緯について聞かせてください。

杉本:私が社会に出た時、根本的に人の役に立ちたいという気持ちが常にどこかにありました。 そこから、サービス業をやることが多かったのです。 実は当初は、セントラルやコナミスポーツと言われるような、スポーツクラブで働いていました。 その後、あるきっかけで今度は外食産業に行きました。 そこではマネージャーとして働いていましたが、マネージメントの大切さや面白さを学ぶことができました。 今は開業に合わせて法人は立ち上げていますが、この時の知識が役に立っているので人生無駄にならない経験をして来たなと思います。

当時はとても忙しかったので、体調を崩すようになり将来の展望が見えなかったので転職することになりました。 そんな時に保険業界にスカウトされたのです。 そこから、当時働いていたマクドナルドからアリコジャパン(現メットライフ)に移ることになりました。 転職してからも業種は金融であるものの、保険を扱っているうちにこれはある種のサービス業であると思うようになりました。

当初は、所属する会社の保険を販売していたのですが、仕事をやって行くうちに顧客視点に立てる部分と立てない部分があることに気がつきました。 保険会社の1社では、より多くの保険を多く取り扱えないことから、代理店に転職することで生命保険も損害保険も20社ほどの商品を扱えるように移ることになりました。 多岐に渡る商品を扱うことができたことにより、細かな情報を届けられるようになったと思います。

ケアクル:なぜ交通事故に着目したのでしょうか?

杉本:多くの保険を取り扱えるようになり、いざこれからという時に、実際に自分が事故にあってしまったのです。 そこから大きな歯車が動き始めました。 正直、はじめはある程度すぐにすべてが解決すると思っていました。 そこから自分が事故にあってみると、なんでこんなに大変なのだろう?と考えるようになりました。自分で経験することで気がつくことがとても多かったのです。 もともと保険会社に勤務していたので、すんなり行くかなと思ったら、とにかくうまくいかない経験をしました。 ここまですさまじいのか、認められないのか、ということが多かったです。 心理状況がここまで影響するとも思っていませんでした。 色々調べて勉強して、経験をして、ひとつずつ解決していく中で見えてくることがあったのです。

その後、事故が解決してから、それがきっかけで、医療コーディネーターをやるようになりました。 ここでも、やはり人の役に立ちたいという想いが沸き起こりました。
 と、同時に、自分の痛みも味わいましたが、怪我も治るという過程も経験しました。 そこから、治療や手当自体がとても良い仕事だということが良くわかりました。

保険と医学の知識を掛け合わせることで業界に多くの可能性を感じることもできました。 賠償のお金を学費に回し、柔道整復師の資格も取得することになりました。 これまでも、治療も行いつつ、医療コーディネーターとしての仕事をして来ました。

さらに経験することで、違う問題点や可能性が見えて来たことから、もっと良くすることができるのではないかと思うようになりました。 足し算ではなく、掛け算のように経験が生きることがわかって来たのです。

ケアクル:どのように勉強会に発展していったのでしょうか?

杉本:きっかけは、2011年頃になるのですが、元々はSNSで知り合った治療家さんが教えてください。と連絡が来てから勉強がスタートして行きました。 当初は、話を聞いてこうやってみたら?と助言したところ、『言われた通りにやったら、非常にうまく行きました』と連絡をもらいとても嬉しかったことがありました。 人の役にたっている実感を得ることができたのです。 自分の経験と知識が人の役に立っということが、ここで点と点が繋がり線になるイメージが出来ました。

なんでうまく言ってないのかここでやっと理解したのです。あー知らないのかと。 現場の当事者である、治療家の先生達が、これほど知らないのかと。 ここから苦難がたくさんありました、とにかく伝わらない。 レベルが合わない、、思った以上に知らないことだらけで、はじめはとても戸惑いました。 勉強会も始めた頃は難しすぎると言われたりもしました。

改良を加えて本格的にやり始めたのが2013年頃です。この頃から、複数人に対して募集をかけて教えることを始めました。 そのうちに、だんだんとレベル分けして講座を展開して行くようになり、形になっていきました。 今では、制度やルールの話はもちろんですが、時事ネタなども織り交ぜつつ、色々な情報を織り込んで話していけるようになりました。 受講いただいた先生からは好評いただいております。

交通事故を扱うということ

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ケアクル:今後について考えていらっしゃることを教えてください。

杉本:時代の変化が激しくなってきています。 例えば2016年くらいからでしょうか。不幸にも、不正による逮捕の数が増えてきたということです。 それによって中には、治療者側が交通事故の対応を敬遠するようなことも起きはじめてきました。 それよりも以前の2011年前後は、交通事故の収入を療養費の補填的な意味合いで捉えている方が多かったようにも思います。 正しく知識を身につけてもらい交通事故患者に役立てる治療家の先生が増えることを望みます。

近年では、自動運転だとか、オートブレーキなど、車側の技術革新もありますが、まだまだ交通事故そのものは簡単になくならない状況だと思います。 その場合に患者の役に立つことができる存在であるべきは変わらないと感じます。 ですので、この先は本当の意味で業務として、交通事故を扱うということについて向き合う必要があると感じています。 これからさらにその時代は加速していきます。 その時に、治療家として患者から選ばれるために、学ぶ場所として選ばれる勉強会であることを目指しています。

伝えたいこと

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ケアクル:活動を通して治療家に伝えたいことを教えてください。

杉本:どの仕事にも言えることですが、顧客が本当に選べるような時代になっています。 つまりは、仕事を取りに行くことも大切ですが、選んでもらうとか、選んでもらえる存在であることが重要と考えます。 だからこそ、選んでもらえる仕事をして行きたいと思っています。

知って欲しいのは、先生業はある意味では不幸ってことです。 なぜなら、先生という立場が先にきてしまうことで、みるべきことが見えなかったり、患者から本音を聞くことができなかったりする部分があると思います。 そうなると本来のマーケティングという視点でみれば情報分析がやりにくい状況を生んでしまいます。

ギブをする能力と同時に、いかにサーチする能力が必要か問われる時代になると感じています。 情報収集力や検索、ニーズの分析が大切になってくると思います。 一言で言えば環境適応していかなければならないということです。 そんな時代を迎える中で、先生という肩書きをはずしても、魅力的な人であって欲しいと思います。 自分もそうなりたいと思って日々仕事に取り組んでいます。 業界を一緒により良くして行きましょう。

プロフィール

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(株)プライムケア代表取締役 
杉本容、(スギモト ヨウ)

外食産業・外資系金融業・保険代理店を経て、自身の交通事故受傷をきっかけに柔道整復師へ。
現在もFPとして保険業を行いながら、独自の視点による医療業界向けの交通事故セミナーが、画期的かつ今までの医療業界に無い切り口として評価される。
予約自費制の整骨院で施術も行いながら、アシブラの認定アドバイザーとして普及にも奔走する。

https://www.primecare.co.jp/

杉本さんの交通事故勉強会はこちら

*東京

1.参加コース開催日程
ファーストコース:2月9日(日)9:15〜11:55(受付開始9:00)
ベーシックコース:2月9日(日)13:00〜19:00(受付開始12:50)
アドバンスコース:3月1日(日)9:30〜16:55(受付開始9:15)
(公共交通の状況により時間調整の可能性があります)
※アドバンスはペーシック受講済みの方のみとなります。
なお、両コース連続受講は差し支えありません。
会場:池袋駅前別館東京都豊島区東池袋1-6-4会場:アットピジネスセンター
*大阪
1.参加コース開催日程
ファーストコース:3月15日(日)9:15〜11:55(受付開始9:00)
ベーシックコース:3月15日(日)13:00〜19:00(受付開始12:50)
アドバンスコース:3月29日(日)9:30〜16:55(受付開始9:15)
(公共交通の状況により時間調整の可能性があります)
※アドバンスはペーシック受講済みの方のみとなります。
なお、両コース連続受講は差し支えありません。
|会場:ほねきんメディルーム(大阪市東淀川区東中島1-17-18新大阪ビル東館803)
適用料金(税込)
*新規基本料金:@ 24,000円
*同コース内における再受講:@ 10,000円(前回受講コースを教えてください)
*ファーストコースのみ:一律@ 10,000円
*ペア割引:1人あたり▲5,000円(オフ)(ファーストコース以外に適用)
(同行ペア対象者氏名を教えてください)
※当日会場にて各コース費用をお支払いください。領収書発行致します
※各コースごとの料金となります。
ファーストコース
交通事故の基本「自賠責保険」から「各制度」まで理解します。
*交通事故とは?
*自賠責保険が使える時・使えない時
*適切な治療期間と後遺障害とは?
*交通事故における医療従事者の実務概論
※このコースのみ、勉強内容以外の質問は出来ませんのでご了承下さい。

ベーシックコース
各種制度の復習から、検会社のスタンスを理解し「現場力」の基本を習得します。施術証明書の基本記載方法や注意点など現場において必要な知識の修得を目的とします
*自賠責保険から各種制度の復習
*任意保険を知る医療機関がしていい事・悪い事
*「後遺症」と「後遺障害」の違い
*なぜ保険会社は打ち切りしてくるのか?
*インタビュー動画「元損保職員による保険会社の本音」
*支払われない、認められない、施術明書の実例を知る

アドバンスコース
ベーシックを受講された方のコース。さらなる知識の習得を目指します。「医接連携上の注意点」や「事故による症例」にも踏み込みます

*再編集:交通事故症例紹介と交通事故患者への施術概論
*「共同不法行為」と「異時共同不法行為」
*新時代の施術料金と広告の考え方
*施術証明書の記載方法の基礎〜注主意点紹介した法律事務所が起こしたトラブルとは?
*「改訂:個人情報保護法」への対応方法
*インタビュー動画「続・元損保職員による保険会社の本音」

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