はじめに

笑顔が素敵な女性はそこにいるだけで場が和むものですが、年齢を重ねる内に気になってくるのがほうれい線のしわではないでしょうか。笑っている時に目立つほうれい線が気になってしまうと、笑うのも嫌になってしまうものです。

できればどうにかしたいほうれい線が、もしキレイに消せたら嬉しいですよね?今回はそんなほうれい線の治療について調べてみました。

ほうれい線とは

ほうれい線は、漢字表記で「法令線」と書きます。中国における面相学上の「法令紋」という呼称から取った名称です。ほうれい線は顔の小鼻の脇から口の端までできる線の事で、表情を変えたときなどに両側に伸びる長い溝というと分かりやすいかもしれません。普段は目立たなくても、笑顔になる等、表情が変化したときには、年代を問わず必ず姿を現すはずです。

ほうれい線が厄介になるケースは、表情を作っていない無表情の時であっても、シワや影のように目立ってしまう場合です。こうなると、顔全体が下に向かってたるんでしまったような印象を与え、疲れた顔や老け顔に見えてしまいます。

ほうれい線は厳密に言うとシワではなく、顔の筋肉の境目そのものを指しています。私達が気にする「ほうれい線」とは、実は「顔の皮膚のたるみにより、ほうれい線に沿ってできる大きなシワや溝」を意味しています。

ほうれい線ができる原因

ほうれい線は鼻から口にかけて1本の線になって出現しますので、どうしても目立ってしまい、見た目年齢に大きく影響してしまいます。ほうれい線は年を重ねるごとに目立ってしまうという印象が強いと思いますが、必ずしもそうではなく、若い人であっても目立ち始めてしまう方もおられます。

つまりほうれい線が目立つようになってしまう原因は、加齢による老化だけが原因ではありません。その他にも多くの原因があります。

これからほうれい線が目立ってしまう原因を紹介します。

肌の乾燥

肌は乾燥してしまうと、たるみが進行してしまいやすくなります。軽度のたるみであれば、スキンケアや生活習慣の改善でハリを取り戻せる可能性がありますが、乾燥肌を放置してしまうと慢性化した乾燥によって頬のたるみが進行し、消えにくく目立つほうれい線へと変化してしまいます。

つまり、肌の乾燥を防ぎ、保湿のお手入れを欠かさないことで、ほうれい線に刻まれる溝やシワも予防が期待できます。

紫外線

紫外線を浴びてしまうと、UV-Aと呼ばれる波長の長い紫外線は肌の奥の真皮にまで悪影響を及ぼし、皮膚の弾力に関わるコラーゲンやエラスチンを減少させてしまいます。その為、皮膚の「光による老化」の進行を早めてしまい、ほうれい線に頬のたるみによる深い溝やシワが刻まれてしまう原因になるのです。

むくみ

顔がむくむと、むくんだ箇所の重さで肌がたるむことで、影のようなほうれい線が目立ちやすくなります。むくみの原因は冷えや血行不良、そして塩分過多等が考えられますので、冷え性対策や適度な運動等で血流を改善し、むくみを解消するだけでもかなり顔をすっきりさせられます。

食生活の偏り

不規則な食生活や暴飲暴食、偏った食事をしているとお肌に必ず悪影響を及ぼしてしまいます。特に外食やレトルト、コンビニ弁当で済ませてしまっている方は、お肌に必要な栄養素であるビタミンやミネラル、食物繊維等が慢性的に不足してしまってお肌がボロボロになってしまいます。

喫煙

喫煙はお肌に悪いと良く聞くと思いますが、喫煙をしていると全身の毛細血管を収縮させてしまい、血の巡りを悪くさせてしまいます。その結果、皮膚にも栄養が行き渡らなくなってしまい、お肌の老化を促進してしまいます。

ほうれい線に限らず、顔全体のくすみを招いて艶を奪ってしまう等、喫煙は肌の調子を全般的に落としてしまいかねません。できれば、美容の為には禁煙する事をおすすめします。

加齢

肌の衰えは加齢を重ねるだけが原因ではありませんが、当然、加齢も関係しています。しかし、お手入れや生活習慣次第で加齢の影響は遅らせることができます。年齢を重ねることは避けられませんから、できるだけその影響が出ないように日頃から様々な対策を心がけることが大切です。

ほうれい線治療の種類と方法

ほうれい線の治療には主に3種類の方法があります。その方法は「注射」と「照射」、「糸の埋め込み・切開」に分ける事ができます。その方法を1つずつ見ていきましょう。

注射

注射で行うほうれい線を消す治療はヒアルロン酸をほうれい線に直接注射して、皮膚の下から持ち上げてシワをなくすという方法です。一般的には注射の前にクリーム状の麻酔を塗るのでそこまで痛みは感じないようです。

ほうれい線だけでなく部分的なたるみやシワの改善に即効性があり、10年以上​前から日本国内の美容外科で使用されている実績のある方法になります。

照射

注射よりも顔全体への効果と持続性がある治療方法になります。高周波を顔に照射することで「火傷」を人工的に作り、肌本来が持っている創傷治療能力(自然に傷を治す能力)を活性化させることによって強制的にコラーゲンを作らせます。

高周波はレーザーや光では到達できない真皮層まで届くのがポイントで、比較的新しい治療方法となります。段階的にリフトアップしていきますので即効性はありませんが、肌のハリやツヤはすぐに実感できます。

糸の埋め込み・切開

​針で皮膚に穴を開けて特殊な糸を皮下組織に挿入し、糸の反発力で皮膚を持ち上げる方法です。切らずに即効性が得られるのが大きなポイントとなる治療方法です。また、皮下組織に糸で刺激を与えることでコラーゲンの再生を助けてリフトアップ効果も望めます。最新の糸では突っ張るような不自然感はなく、筋肉に合わせて動くため違和感が少ないようです。

また、耳周りを切開して皮膚の下の表在性筋膜​を持ち上げる方法もあります。切開することにはなりますが、リフトアップ効果は1回の治療で​10年間キープできる可能性があるという嬉しい持続力があるのがこの方法でしょう。

ほうれい線治療の効果

ほうれい線を消す治療を行った場合の効果としては、ほうれい線が目立たなくなりますので、一番実感できる効果は若返りでしょう。ほうれい線があるだけで、人の顔は年齢より老けて見えてしまいますので、ほうれい線が無くなれば、当然、若く見えるようになります。

また、ほうれい線を消す事で顔のしわも減りますので、表情が明るくなり、たるみが改善し肌のハリがよみがえります。

ほうれい線治療の費用と頻度

ほうれい線を消す為の治療にかかる費用とクリニックに通う頻度は治療によって異なりますので、順番に説明していきます。

注射

ヒアルロン酸注射を行う場合、クリニックによっても異なりますが、相場では3万円〜10万円程かかると考えておいた方が良いでしょう。

また、ヒアルロン酸注射は種類によって持続期間が異なりますが、数ヶ月〜1,2年程度は持続すると言われています。そのため、効果を持続させたいという場合には、期間を開けて繰り返し注入する必要があります。その分、トータルでかかる費用が高額になる場合もあるので注意しましょう。

照射

照射を行う場合、費用の相場は、施術を何回も行う必要がある場合は約1万円〜5万円程度で受けることができるでしょう。1回の施術で高い効果が見込めるものであれば、約10万円〜30万円程度必要になってくる施術もあります。

施術を受ける期間としては、数週間〜数ヶ月に1度行うものもあれば、半年〜1年に1度というものまで様々です。

糸の埋め込み・切開

この治療を行う場合、糸の種類などによって費用は異なりますが、約10万円〜30万円程度が相場です。持続期間も糸の種類やどれくらい糸を埋め込むかによっても期間は変わってきますが、年単位での持続期間が期待できます。

ほうれい線治療の痛みや副作用

ほうれい線の治療をしたいと考えた時に気になるのがその治療を行った時の痛みの程度や副作用ですよね。では、治療別に見ていきましょう。

注射

ヒアルロン酸注射を行う場合、殆ど副作用はないといわれています。ただ、異物を注入しますので、稀に内出血を起こす場合もあるんですね。しかし、ヒアルロン酸で起こりうる副作用としては、大抵の場合、数日から1週間程で消失する事が殆どです。

痛みは異物を注入しますので、針を刺す痛みは麻酔で感じない事が多いですが、どうしても痛みは伴います。

照射

照射を行う場合、肌表面に火傷を負ってしまったり、炎症を引き起こしてしまったりとリスクが発生する可能性もあるため、肌が弱い方は特に注意してください。痛みは照射での痛みは殆どありません。

糸の埋め込み・切開

顔に糸を埋め込んで、リフトアップしますので、糸がつれる感じがしてしまう場合があります。また、切開手術を受ける場合は皮膚にメスを入れますので、手術後どうしても痛みは生じます。

まとめ

ほうれい線の治療には「注射」「照射」「糸の埋め込み・切開」の3つがあります。これらにはそれぞれメリットとデメリットがありますし、費用や次の治療を受けなければならないまでの期間もその治療によって異なります。

ほうれい線の治療を受けたいと思ったら経験のあるクリニックを選び、熟練した医師に施術を行って貰う事をおすすめします。ほうれい線を消す事で、見た目が若返り、笑顔を浮かべるのが怖くなくなりますので、興味がある方は治療を受けてみては如何でしょうか。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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