毛穴の黒ずみの原因

毛穴の黒ずみがあると、堂々とふるまえないという方もいらっしゃるでしょう。
この黒ずみはどうして起こってしまうのでしょうか。主な原因には、以下の3つが挙げられます。

・毛穴につまった角栓
・濃い産毛
・毛穴付近の色素沈着

では、具体的にどうして黒ずみになってしまうのかを見ていきましょう。

毛穴につまった角栓

毛穴には皮脂を分泌する皮脂腺というものがあります。皮脂には、傷つきやすい肌を紫外線や外気から守る役割があり、個人差はありますが、必ず分泌されてます。
厄介に思える皮脂もきちんとした役割があるのです。
しかし、普段は私達の肌を守るために分泌されている皮脂が、過剰に分泌されると、毛穴の中に詰まってしまいます。

この詰まった皮脂や、新陳代謝によって発生した古い皮膚、メイク汚れなどが混ざり合うことで生じる物質を『角栓』と呼びます。
時間があまり経過していない角栓は黒くないのですが、空気に触れることでで酸化してしまい、黒く目立つようになってしまいます。
これが悪化すると、鼻の頭や小鼻に黒いブツブツができてしまい、いわゆる『いちご鼻』の状態になることもあります。
いちご鼻になると治療も大変になってしまうので、そうなる前に角栓を取り除くことが大事です。

濃い産毛

毛穴に皮脂や汚れが詰まっていないのに毛穴が黒ずんで見える場合、産毛が黒ずみや汚れに見えてしまっていることがあります。通常、産毛はそこまで目立ちませんが、濃いとどうしても黒ずんで見えてしまします。
この場合は、産毛を処理することで改善できます。
しかし、産毛の処理を剃刀や毛抜きで行うと、肌を傷つけてしまったり、目に見えない傷を作ってしまうことがあります。
そこから炎症を起こし、思わぬ肌トラブルの原因になってしまうことがあるので、自己処理には直接肌に刃を当てないで電気シェーバーがおすすめです。
また、炎症が気になる場合は、エステに行くなど、プロの方にお願いしても良いでしょう。

毛穴付近の色素沈着

3つめの原因として毛穴付近の色素沈着が考えられます。
紫外線によって皮脂が酸化すると、毛穴の周囲に活性酸素が発生し、それによりメラニン色素の生成が増えます。
鼻の頭は、他の部分に比べて皮脂の分泌が活発に行われているので、特に色素沈着をしやすいといえます。さらにターンオーバーの乱れが加わると、メラニン色素の排出ができずに肌に留まり、毛穴周辺がより黒ずんで見えてしまいます。
この場合、皮脂や活性酸素を取り除くのも大事ですが、日焼け対策も非常に重要です。
紫外線を浴びないよう、普段から肌に気を使うことも、黒ずみを進行させないカギなのです。

毛穴治療の方法

毛穴の黒ずみや汚れは、ご家庭でのスキンケアでも改善できますが、自分で道具や美容品を揃えてケアをするのには、時間や費用がかかります。
また、間違った方法で行うと、毛穴が開いてしまったり、黒ずみや汚れが上手く取り除けなかったりする場合があります。

一方、美容皮膚科では、プロによる治療が受けられるので、より安全に黒ずみ除去ができます。
ここではクリニックで行われる3つの施術をご紹介します。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングとは、皮膚の表面にある古くなった角質を取り除く治療法です。
皮膚のごく浅い層に作用して肌のターンオーバーを促し、蓄積したメラニン色素や古い角質を除去していきます。
肌に負担がかからないよう、ピーリング剤の種類や濃度、塗布時間によって強さを調整しながら治療できるので、安心です。最初の数回はピーリングに慣れ、肌への負担を軽くするため、弱いものを使用し、段々と肌質に合わせて強くしていきます。
ピーリング後はしっかりと肌を休ませることが大事です。早く効果を出したいからといって日を置かずに行うと、逆に肌へのダメージを与えてしまうので、プロのプログラムに従って治療を受けましょう。

レーザー治療

レーザー治療では、黒ずみのある部位にレーザーを照射し、皮脂や角質を除去します。
熱エネルギーを皮膚表層や、皮膚の深層にある真皮層に照射することで、皮膚の代謝を促進したり、コラーゲンの再生が促したりします。その結果、肌にハリが生まれ、毛穴が目立たなくなる効果が期待できます。

イオン導入

イオン導入とは肌に微弱な電流を流し、美容成分を肌の奥へと浸透させる治療法です。
具体的な方法としては、上記のような成分を浸したガーゼで顔全体を覆い、その上からローラーをかけながら均一に微弱な電流を流していきます。
導入する美容成分には、美白効果があるビタミンC、メラニン色素を作りにくくするトラネキサム酸、毛穴を収縮させ効果があるグリシルグリシンなどがあります。

毛穴治療の費用と期間

毛穴の黒ずみを除去する為にはどれくらいの費用と時間がかかるのでしょうか。
治療の費用は黒ずみの状態や範囲、治療方法によっても異なりますが、美容皮膚科で行う場合は、実費での負担になります。
クリニックによって料金設定にも幅があり、1回にかかる費用は安いところで数千円、高い所では3万円を超える場合もあります。

また、毛穴の黒ずみや汚れを除去するためには数回、クリニックに通う必要があります。
施術によっては期間を開けなければいけないので、2ヶ月~半年はかかると考えておきましょう。
クリニックによっては、3回、5回分をまとめて購入できるセット料金設定もあるようです。

毛穴の黒ずみには長期的な治療が必要で、かつお金もかかります。
事前にしっかりと調べて継続的に通えるか考えた上で通院すると良いでしょう。

毛穴治療の痛みや副作用

どの治療にも多少の痛みは伴います。治療の後、ヒリヒリした軽い火傷のような痛みが続く場合がありますが、これは日にちが経てば、自然と改善されます。

また、黒ずみ治療には大きな副作用はないとされていますが、毛穴が締まるまでの期間は、逆に毛穴が目立つ状態が続きます。治療期間は肌にダメージを負う行為はできるだけ避け、辛抱強く効果が出るのを待ちましょう。

まとめ

毛穴の黒ずみや汚れの治療についてお伝えしました。
毛穴の黒ずみは人の目に触れる鼻や頬によく起こります。自己流で間違ったケアをしてしまうと、かえって目立つ原因にもなります。
美容皮膚科ではプロの手によって安心して毛穴治療を行えます。
治療方法の選択肢も多くあり、医師と相談しながら自分に合ったものを見付けることができます。
気になる方は、ぜひ一度美容皮膚科に相談に行ってみてください。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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