はじめに

みなさんはクレイパックをしたことがありますか?

他のパックと比較するとあまり使う機会がないかもしれませんが、クレイパックは肌への特別なケアに適しています。

泥の種類もいくつかあるので、自分に合ったクレイパックや、正しい使い方などを知りましょう!

クレイパックとは

クレイパックで使用されるクレイ(泥)は、粘土層にある粘土(粒子の小さなもの)を乾燥させたものを使用しています。場所によって含まれるミネラルは異なりますが、シリカ(ケイ素)や酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄などを含んでいます。

シリカには、肌の保湿効果やコラーゲンの生成を助けることによる弾力性のアップといった効果があります。ほとんどのクレイにおいて、最も多く含まれている成分がシリカになります。酸化鉄が多いクレイでは、血液中のヘモグロビンの活動を促進させることによって血行が良くなります。

クレイパックの4つの効果

1)ミネラル成分による古い角質・皮脂の吸着

クレイに含まれるミネラルには、古い角質や皮脂、角栓(角質と皮脂が混ざり合って固まったもの)、メイクといった汚れを吸着する働きがあります。毛穴の汚れが取り除かれるため、顔全体が明るい印象(美白・透明感、くすみ軽減)になり、ニキビの予防にも効果的です。

2)イオン調整作用によるリラックス効果

クレイには体内の余分なプラスイオンを吸収し、イオン調整するという働きもあります。(マイナスイオンはリラックス効果など体にとって良い効果をもたらすのに対して、プラスイオンは体の酸化などの悪い効果をもたらすと言われています。)したがって、クレイパックによるデトックス効果やリラックス効果が期待できます。

3)イオン調整作用による炎症を鎮める効果

さらに、ニキビや肌荒れなどの炎症部分にクレイパックすると、炎症部分の余分なプラスイオンを吸収するという働きをします。これによって、炎症をより早く鎮静させてくれます。

3)肌の新陳代謝の向上などに伴う血行促進効果

パックによって肌が覆われるため、肌表面の温度が上がり、血行が促進されます。また、余分な毛穴の汚れが取り除かれることによって肌の新陳代謝も上がるため、相乗効果で血行が促進されます。

クレイパックの種類

1)色によるクレイの分類

クレイを色別に分類したとき、ホワイトやピンクは刺激が少なめなため、初心者や敏感肌・乾燥肌向けになります。イエロー(またはベージュやローズ)はやや刺激が強くなり、普通肌向けとなります。さらに、レッドやグリーン、ブルーといったクレイは刺激が強くなりますが、その分美白効果も期待できます。脂性肌向けです。
●ホワイト
刺激が少なく、初心者向けです。最も優しい作用です。
対象:乾燥肌、敏感肌、普通肌

●ピンク
肌を引き締め、キメを整える作用があり、ハリアップが期待できます。
対象:敏感肌、乾燥肌、普通肌

●イエロー
優しく洗浄し、保湿効果・美白効果があります。
対象:敏感肌、乾燥肌、普通肌、脂性肌

●レッド
しっかり洗浄しつつ、保湿効果もあります。ハリアップも期待できます。
対象:普通肌、脂性肌

●グリーン
強めな殺菌・洗浄力、美白作用があります。
対象:普通肌、脂性肌

●ブルー
強い洗浄力で美白作用があります。
対象:脂性肌

2)採掘場所による分類

色クレイは採掘された場所(原産地)による分類も一般的なため、その一部を紹介します。

(1)カオリン
中国が産地のクレイで、血行促進作用、美白効果が期待できます。特にホワイトクレイであれば、刺激もすくなくポピュラーなため、初心者や敏感肌・乾燥肌の人にお勧めです。

(2)ガスール
モロッコが産地で、マグネシウムやカルシウムが多いクレイです。汚れの吸着力がありますが、敏感肌の人も使えるクレイの一つです。

(3)モンモリロナイト
フランスが産地で、火山灰が海底に堆積(たいせき)してできたクレイがモンモリロナイトです。汚れの吸着力に優れているため、ニキビなどの肌トラブルの改善をしたい人に向いています。

クレイパックの方法

1)週に1日か2日のスペシャルケアとして行う

クレイパックは色が濃いものほど洗浄力が強くなる傾向にあります。商品にもよりますが、毎日ではなく、週に1日から2日程度のスペシャルケアとして定期的に行うのが良いでしょう。

2)洗顔後に行う

クレイパックをするタイミングは洗顔後です。清潔な肌で、化粧水などをつけていない状態で行います。

3)蒸しタオルなどで毛穴を開かせて行う

クレイそのものには毛穴を開くという働きはありません。そこで、パックの効果を高めるために、蒸しタオルなどで毛穴を開かせてから行うと良いでしょう。フェイスタオルを電子レンジで1分温めると蒸しタオルができます。

4)パック時間は15分程度、厚さは5mm程度にする

クレイは皮膚の薄い目、呼吸するための口を避けながらまんべんなく乗せていきます。ヘラなどを使うと良いでしょう。厚さは5mm程度とします。乗せる量が少なすぎると乾燥までの時間が早まり、汚れの吸着などの効果が得られにくくなります。パック時間は15分程度とします。あまり長すぎると、乾燥などの肌トラブルの原因となります。

5)水やぬるま湯でクレイを洗い流す

パック後はヘラなどで余分なクレイを取り除いてから、水やぬるま湯で洗い流します。その後、化粧水など通常のスキンケアを行いましょう。

終わりに

いかがでしたでしょうか?
クレイパックをやってみたくなりましたか?

乾燥肌、脂性肌など肌のタイプによって自分に合うクレイパックは異なります。
自分の肌タイプに合ったものを使い、正しい使い方を守ることが大切です。

肌へのケアにクレイパックを使って、美肌になりましょう!

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

関連する記事

関連するキーワード

著者