林 剛史先生〜プロフィール〜

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【略歴】
岐阜県立土岐商業高校卒
2003年 岐阜日野自動車入社
2012年 岐阜保険短期大学専門学校卒業
2012年 はり師・きゅう師の免許取得
同年  愛知県の鍼灸接骨院で働く
2015年 はやし鍼灸治療院往診部門開業
2015年 8月 はやし鍼灸治療院開業
2015年 マタニティケア鍼灸師認定、レディース予防医学指導士認定
2016年 社会人野球俱楽部コーチ兼トレーナー
2016年 某高校野球トレーナー
2017年 スタッフ1名入社
2019年 株式会社ウェイビー設立、スタッフ1名入社、鍼灸ハリゴコチ一宮
2020年4月現在 スタッフ2名入社 計6名の鍼灸

治療家として技術を突き詰める鍼灸師、経営がうまくバリバリ稼ぐ鍼灸師、研究に没頭するアカデミックな鍼灸師。鍼灸師の生き方にも様々ありますが、僕には前々からとても気になる鍼灸師の先生がいました。Instagramでは大体薪を割っているかキャンプをしていて、たまにTwitterに見かけたと思えば寒いダジャレを言ってみんなに突っ込まれる。
それでいて院を他店舗経営していて、スタッフも5名雇っている。なんだか凄いんだが凄くないんだかよくわからないこの先生の生い立ちや、普段考えていることを聞いてみたい!
ということで早速アポを試みたところ、快く承諾してくれました!

-原点は野球少年-

村中 僚太(以下、Ryota):林先生、本日はよろしくお願いします。早速ですが子供時代どんな感じの子供だったんですか?

林 剛史先生(以下、林先生):ずっと小さい時から野球にはとことん厳しい父と、野球漬けの毎日でした。私の父は地元の少年野球の重鎮みたいな存在で結構厳しかったですね。僕は3人兄弟の末っ子なのですが、チームでキャプテンもしていて、今でも蹴られたことを覚えています。野球のポジションは主にセカンドとキャッチャーです。 高校時代は甲子園を狙える強豪校に所属していたのですが、残念ながらベスト4止まりでした。

Ryota:そうなんですね!厳格なお父さんに育てられたと言うのは少し意外でした。今の林先生のInstagramやTwitterから垣間見れる父親像とは真逆というか、何というか、、

林先生:野球に対して厳しかったので、怖かったんですよねぇ。今だからこそ上手くなってほしいとか、愛があったってわかるんですけど、怖かったのがあったから真逆にみえるのかも。でも、酒好きなところとかよく似てますよ!(笑) そして高校を卒業してからは社会人野球のある会社に入社して、引き続き野球漬けの毎日を送っていました。土日も試合だったので全然遊べませんでしたね。若かったのでコンパに行きたいとずっと思っていました(笑)

Ryota:ちょこちょこ林先生節が入ってきますね(笑)

林先生:会社ではトラックの営業、工場勤務、そして水曜の午後と土日は野球漬けの毎日。ストレスのせいかその時から、偏頭痛になってしまったんですよ。そこで治療を受けてみたらその偏頭痛がスッと良くなったんですね、それで人の体を治療するっていうのはすごいことだなぁと思いました。あとは高校野球時代の一つ上の先輩が鍼灸師になったのがきっかけです。その先輩は今でも西武ライオンズのトップトレーナーを務めています。鍼灸学校に入学した時は22歳でした。

Ryota:鍼灸学校に入学してからはどうでしたか?

林先生:当時はお金がなかったので結構苦労しましたね。まずハイエースに乗っていたのですが、それを売って10万円のボロ車に乗り換えました。食事はもやしばかり食べていましたね。朝の7時から夜の10時までバイトと学校に明け暮れる毎日でした。

-国試受かったら結婚しよう、そして結婚。-

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Ryota:国家試験に受かってすぐに結婚とはなかなか思い切りましたね。そして2年目にはもう開業、開業してから大変では無かったですか?

林先生:何とかなるだろうと思ったんですよねー(笑) 開業といっても訪問専門でやっていました。集客に関しては妻の祖母が昔喫茶店をやっていて、体験会みたいなのを開いてくれたんですよ。そしたらやりたいって言って下さった方が結構いてくれて。あとはその喫茶店に健康上の問題で来れなくなったお客さんに対して祖母が電話営業をやってくれていました。ある日、脳梗塞で立てなくなった人を治療する機会があって、治療後にすぐ立てるようになって家族もびっくり、そこから一気に口コミで広がっていった感じですね。

Ryota:義理の祖母がめちゃくちゃ良い営業マンすぎるのですが(笑) 店舗を構えたのはいつですか?

林先生:訪問でも30万位の売り上げがあったのですが、やはりそれ以上伸ばすのがなかなか難しいなと思っていたところで店舗の開業を決めました。店舗の集客に関してもラッキーで、うちの院はライオンズマンションの1階テナント部分に入っているのですが、ある日そこの管理人さんがぎっくり腰になっちゃったんですね。それで治療してあげたらとても効いて、そこからその管理人さんが会う人会う人にあそこの院は良いよーって勧めてくれるようになりました。あとそのマンションに住んでいる方でお医者さんの方がいたのですが、そのお医者さんにも治療を気に入って頂き、信用を得たことで他の患者さんにも広がっていった感じですね。

Ryota:林先生は薪割りやキャンプのイメージで、あまり鍼灸師として技術の人という印象は無いのですが(失礼)やはり根底にあるのは治療技術なんですね。

林先生:治療は大好きですね。どうしたらその人が笑顔になってくれるか。そんなことばかりを考えています。例えばうちの院に来た患者さんでプロのスノーボーダー選手がいて、その子が鎖骨を骨折してしまいオリンピックを目指していたのですが絶望的な状況でした。 そこで酸素カプセルの治療を受けると治癒力を早めると聞きまして、一緒にカプセルのある他院にお願いしに行ったんですね。しかしそこのカプセルは寝ながら入るタイプだったのですが、その子がどうしても痛くて寝れないと言うんです。それならばということで座って入れるタイプのカプセルを当院で購入しました。350万位しましたけど、なんか応援したくなっちゃうんですよね(笑) 結局患者様がよくなることであったら、鍼じゃなくてもいいって思ってるんですよね。

Ryota:350万?!リースじゃなくてですか?

林先生:はい、買っちゃいました(笑)

-自分自身が幸せであること、そして幸せを循環させる人でありたい。-

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Ryota:スタッフを雇われてますが、スタッフに対する教育で気をつけていることはありますか?

林先生:愛をもって接することですね!それしかしてないかも。毎朝体調は大丈夫?とか聞いたり、とにかく話やすい雰囲気を作ることを意識してます!委縮させてもスタッフも伸び伸び仕事できないですからねぇ!あとは自分のキャラが結構独特だと自負しておりますので、参考になるかわからないんですが『一人一笑い』と言うのを意識していて、初診の人でもトイレ借りていいですかと聞かれたら「行っトイレ」とか言っちゃうんですよ。 「トイレ行っトイレ、お便器で。」という重ね技もあります(笑)なんかくだらないんですけど患者さんが笑って帰るっていうのがすごく良くて。

Ryota:僕も関西出身なのでそのノリはわかります(笑)学校ではどういう風に患者さんと接するかとか、接遇について小難しく習いますが、勤めてた院の先生が患者さんにかけてた第一声は「まだ生きとったん?」でした。もちろんこれは信頼関係あってのことですが(笑) あと林先生と言えば薪割り、キャンプのイメージですがあれは鍼灸師として何か活きてたりしますか?

林先生:薪の繊維に対して斧を入れる角度とか、体の筋肉に対して鍼を入れる角度とか共通する事はありますよ(笑) あと自然の中に身を置くことってすごく大事なことだと思うんですよね。そこに家族がいて、美しい緑があって、本当に幸せですよ。 自然の中から学ぶこともたくさんあります。自然の中に居るとなんであんなに気持ち良いんだろうねーとスタッフと会話していたところ、緑色が大事なのかなぁと言うことで、院に緑色を取り入れてみたらすごく素敵な内装になりました。 夏でもエアコンがガンガン効いてるような中にいると、自分のセンサーが鈍っちゃうような感覚があるんですよね。自分のセンサーをリセットするためにも自然の中に身をおくって大事だと思いますね。

Ryota:僕もそれに関しては完全に同感です。なんというか後天の精(エネルギー)を自然から自分の体に取り入れて、それを鍼を使って患者さんに循環しているイメージなんですよね。

林先生:そうそう、僕も鍼灸師っぽくそう言いたかった(笑) 自分が健康だったり満たされてないと治療にあたれない、気分とか体調が優れないとなると患者さんには与えられないんじゃないかなと思うんですよね。自分自身の体調や機嫌を整えることも鍼灸師としてすごく大事だと思います。

-関わる人を笑顔、健康にして幸せを派生させる-

Ryota:今後の抱負とかはありますか?

林先生:スタッフと一緒にやっているのも、僕のビジョンでもある、「関わる方を笑顔に、幸せにし、幸せを派生させる」というものを一人でやるより、もっと多くの方に広げていけると思ったからなんですよね♪同じマインドをもった仲間が広げてくれると世の中幸せな人ってもっと増えるんじゃないかなぁと思っています。 例えば 「自分の体がしんどくて、つい娘にきつく当たっちゃうんです。」 ってお母さんが 「体が楽になったおかげで娘に優しい言葉をかけれるようになりました!」 ってなると家族全員が幸せになってくるじゃないですか。小さな幸せかもしれないですが、そういう輪を広げていきたいですね。

Ryota:同感です。僕は鍼灸とか東洋医学は誤解を恐れず言えば宗教に似てると思っていて、宗教ってその教えがどれだけ素晴らしいかとか、歴史がどうこうよりそれを勧めてきた人が幸せかどうかって、めちゃくちゃ大事じゃないですか? 宗教勧めてきた人が不幸そうだったら、絶対その宗教入らないですよね(笑)だから豪華客船でも、ここジョージアでも日本人鍼灸師は一人なんで、まずは自分が幸せに生きることで東洋医学とか鍼灸を普及させることを意識しています。まるで宣教師のような気分で生きてるんですよね。

林先生:凄く良いですね、間違いない。僕それが言いたかった(笑)後は薪割りとかそういうくだらないところを見せることも大事だなと思っていて、治療家の先生ってちょっと関わりにくいというか気難しいイメージがあると思うんですけど、僕はあえてそれを崩して、関わりやすいような雰囲気でやらせてもらっています。なのであれは戦略的にやってるんですよ(笑)話しかけやすい先生みたいな。 自分は元々サラリーマンもやってたので、今の仕事に携われることが本当に幸せだと感じます。天職だと思ってやってるんですよね。

Ryota:林先生、本日はありがとうございました。

-結論、林先生はとても幸せな鍼灸師だった-

昨年12月にオープンした二店舗目『ハリゴコチ』

昨年12月にオープンした二店舗目『ハリゴコチ』

先生が会話の流れで「けっこう何か今ぼく、幸せなんすよね。」とぼそっとつぶやいたのがあまりに自然で、先生の生き方を現しているなあと関心しました。
もし自分が鍼灸学生だったら、鍼灸師になりたてだったら林先生の院でぜひ働いてみたい。
そう思わせてくれるような先生でした。
「関わる人を笑顔に」という信念に生きている林先生、その笑顔が林先生自身の幸せにも繋がり、良い循環が生まれていく。そんな美しい流れを作っている、思ったとおり素敵な先生でした。
今後の活躍にも注目していきたいです!

林先生のある1日

5:30 起床、読書、瞑想
7:00 朝食
7:30 出社
8:00~12:00 訪問治療
12:30~20:00 一宮市の院にて治療
21:00 帰宅、夕食、お風呂
0:00 就寝

林先生のご予約はこちら

インタビュアー

村中 僚太
鍼灸師・ケアマネージャー

2013年より豪華客船鍼灸師としてディズニークルーズ等に勤務、延べ4000人の外国人を治療
2019年12月 ジョージアに渡航し日本人初の鍼灸院Japanese Acupuncture Tbilisi開業

Note: リョウタ 豪華客船鍼灸師/Acupuncturist
https://note.com/harry27

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