藤田 葉月(ふじた はづき)先生〜プロフィール〜

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【略歴】
東洋鍼灸専門学校昼間部 鍼灸科卒業
国家資格:はり師・きゅう師 取得
在学中よりコルギ、スパ内エステ・リラクゼーション、出張マッサージなどで経験を積む。
2018年4月1日治療院で勤めながら『鍼灸屋月日』開業、同年10月完全独立


鍼灸をアートで表現したかのようなとってもおしゃれなInstagram、そしてそれとは真逆のTwitterでたまに発揮されるオタクっぷり。
最初に葉月先生に会った印象は「でかっ!!」177㎝の長身にモデルのような風貌、卒業後すぐにフリーの鍼灸師として活躍されており、今年『鍼灸ぐらびあ』という業界に一石を投じる本を出版した葉月先生。 そんな葉月先生の裏側を探るべく今回インタビューさせていただきました。

-集団生活に馴染めない学生時代、母の期待に応えられない葛藤-

学生時代の葉月先生

学生時代の葉月先生

村中 僚太(以下、Ryota):葉月先生、本日はよろしくお願いします。 早速ですが前から気になっていたことがあるのですが、葉月というのは本名ですか?

藤田 葉月(以下、葉月先生):本名ですよ(笑)名刺に「葉月」だけ書くとキャバ嬢みたいになるんですけど、一応本名です。

Ryota:確かにキャバ嬢感すごい(笑)学生時代はどんな学生だったんですか?なんかイケイケなグループに属してそうなイメージなんですが。

葉月先生:陰キャラでしたね。本と漫画とゲームが好きで、ドラクエのバトル鉛筆とかロマンシングサガの話をしたいので、どちらかといえばずっと男の子と遊んでいたかったです。小学校の時、周りの女の子と馴染めなくて中学は私立に行きました。行って少ししてから気づいたのですがそこの私立は学費も高く芸能人の子供とかが通うような学校だったんです。私立のエスカレーター式の学校とあって、中学から編入してきた私は完全に部外者でした。最初3ヶ月は学校で友達も出来ず馴染めませんでしたね。私は家庭環境も少し複雑で、上に姉と兄がいるのですが父親が違います。私は母の再婚相手の父との間に生まれた子供なんですね。その母親から高い学費を払って学校行かせてるのだからせめて大学には行って欲しいと言われてたのですが、結局高校を卒業してフリーターになりました。

Ryota:高校を卒業してフリーターになってからはどんな生活をしていたんですか?

葉月先生:その時からヘアショーのモデルの仕事を始めました。ヘアショーの仕事はフリーターの私にとってありがたい仕事でした。1日働くだけで4万円とかもらえたりするので。ただこのままではいけないと思い初めて契約社員として働いたのが、アパレル会社だったのですが、これがもう地獄でした。

Ryota:アパレルってきつそうなイメージです。最近色々問題になってますもんね。

葉月先生:あの当時は毎日死ねと言われていましたね。契約社員だったので月に手取りは15万円くらいなのですが、そこから自社ブランドの服を買わないといけないのでローンを組んで買っていました。あとお客さんとの接客は良いんですが、同じ従業員の繋がりが最悪で、売上を低ければ怒られるし、高いと高いで色目使って接客してるんじゃないかと疑いをかけられるし、散々でしたよ(笑)

Ryota:一体何がしたいのって感じですね。アパレルを辞めたのはいつくらいですか?それから次はどのような仕事をしていましたか?

葉月先生:23歳くらいの時ですね。アパレルを辞めたあとは飲食の仕事を始めました。

Ryota:飲食の仕事も一般的にはきつそうなイメージがありますがいかがでしたか?

葉月先生:飲食はとても楽しかったですね。みんな結構自由人で他人にも寛容な人が多かったです。同僚に対しても特に干渉してくることは無く、そういうこともあるよねーって感じで流れるんです。

-かっこいいおばあちゃんになりたい。そして鍼灸の道へ -

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Ryota:なるほど。でもそこからどうやって鍼灸に結びついていったんですか?

葉月先生:ある日、本屋さんで「お灸のススメ」という本を見つけまして、買ってみたんですね。その時に『鍼灸師』という仕事を知りました。調べていくうちに国家資格だし、これだったらおばあちゃんになってもやれそうだぞ。ということでやってみようと思いました。しかし学費が工面できずにあきらめそうになった時、兄が 「葉月が自分で何かをやりたいというのは珍しい事だ。」 と言ってお金を貸してくれて何とか入学することが出来ました。

Ryota:鍼灸学校に入学してからはどうでしたか?

葉月先生:正直学生生活は周りとうまく馴染めていなかった自覚があったので、不安でしたが全然平気でした。うちの学校は昼間部でも割と社会人の学生が多かったのも良かったのかもしれません。 ただ学校勉強のほうは大変でした。私は中医学とか五行色体表とか好きなんですが、鍼灸の専門学校では解剖学や生理学も習わないといけないので勉強は辛かったです。あとは鍼灸学生時代に飲食の仕事からリラクゼーションの仕事に転職しました。稼がなければならないお金がどうしても時給では足りず、インセンティブでお給料がもらえる仕事に転身しました。これも今となってはフリーで仕事をする上で繋がっているかもしれません。

Ryota:国家試験受かって、卒業してからいきなりフリーでやってみようと思ったんですか?

葉月先生:いえいえそんなことは無くて、都内の芸能人が来たりするような鍼灸院で3年の11月ぐらいからインターンで働いていました。卒業してからそこに就職するつもりだったんですが、3年以上働いている先輩でもまだ鍼を打ててなかったり、ある日妊婦の患者さんに腰にパルスを当てて大丈夫ですか?と聞かれたのですがまだ学生の私ではうまく説明できなかったので、先輩に尋ねたところ「適当に説明しといて。」と言われたり、ここにいて良いのかなぁという気持ちが大きくなり、結局国試前の1月に別の所に就職することを決めました。そこで学校を卒業した4月から10月まで約半年働いたのですが、自分でやっていた仕事の収入がそこの収入を超えたので、フリーでやっていこうと決めました。

-鍼灸治療、さらけ出すその空間すべてに価値がある-

2020年 3月に発売された「鍼灸ぐらびあ」

2020年 3月に発売された「鍼灸ぐらびあ」

Ryota:葉月先生のInstagramは見ていておしゃれだなぁと思うのですが、あのInstagramから集客されたりしているんですか?

葉月先生:いえ、Instagramやホームページから来てくれるお客さんは1割位ですね。今の仕事はほとんどが口コミで成り立っています。

Ryota:それは少し意外ですね。あのInstagramは鍼灸界で賛否両論を巻き起こした『鍼灸ぐらびあ』に繋がるところがあるように感じるのですが、あの鍼灸ぐらびあはどういった思いで制作されたのですか?

葉月先生:私が鍼灸の良いなと思う点や、凄いと思うところは鍼灸治療によってもたらされる効果効能だけでは無いんです。刃物と火を用いて相手の体を傷つけることによって治していく、あの空間全部に価値があるんです。だって傷つけて治すってめちゃくちゃかっこよくないですか?! 私自身マッサージを受けるのはあまり得意じゃないのですが、鍼灸治療は受けるのが大好きです。特に体の不調とか無いですが受けたくなります。皮膚を破って鍼をいう異物を体内に入れさせてもらってる側も凄いことだし、相手に完全に心を許していないと成り立たない行為を許してる側も凄いこと。鍼灸治療は凄い独特な空間だなと思っています。 そんな空間が鍼灸の最大の売りだと思っているので、そういった空間を切り取りたい、写真にしたいと前々から思っていました。 そんなところに鍼灸ぐらびあの話がやってきました。 狙ったわけじゃないんですが、鍼灸ぐらびあのモデルの子たちもみんな鍼灸治療を受けるのが初めてでした。なのでより一層、嘘偽り無く刃物と火に体をさらしても人間はこんなにも平気で、自然でリアルな表情ができるということを今回の鍼灸ぐらびあで表現することに成功したと思います。 鍼灸を効果効能だけで売るんじゃなくてその空間に私も行ってみたいかも。と思わせることが出来た方が私は鍼灸にとってプラスになるんじゃないかと思ったんですよね。

Ryota:なるほど、よくわかりました。葉月先生、本日はどうもありがとうございました。

-葉月先生はオタクな鍼灸師だった-

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業界で物議を醸した『鍼灸ぐらびあ』しかし葉月先生にとってそれは自分が鍼灸に対して感じる萌えポイントを具現化させる手段でしかなかった。自分が良いと思う鍼灸、それを体現するためであれば多少の逆風ももろともしない。そんな強いオタク鍼灸師が葉月先生でした。
これかも葉月先生の活躍に期待が高まります!

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インタビュアー

村中 僚太
鍼灸師・ケアマネージャー

2013年より豪華客船鍼灸師としてディズニークルーズ等に勤務、延べ4000人の外国人を治療
2019年12月 ジョージアに渡航し日本人初の鍼灸院Japanese Acupuncture Tbilisi開業

Note: リョウタ 豪華客船鍼灸師/Acupuncturist
https://note.com/harry27

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