はじめに

猫背の方は多いですが、人に与える印象が悪いだけでなく、実は健康を害すことにもなりかねません。なぜ猫背になるのでしょうか? 身長が高いから、自信がないから、生活習慣が悪いからなど、原因はさまざまですが、一番は筋肉の衰えが原因といえます。

本記事では猫背を改善するための筋トレ方法やストレッチなどをご紹介します。スラッとしたきれいな姿勢を手に入れるためにも実践しましょう!

ホントに危険!猫背の悪影響とは?

猫背が及ぼす悪影響は、実は見た目だけではありません。体の外にも中にもよくないのです。猫背は危険です。どんな害があるのか解説します。

見た目が悪くなる

言わずと知れた見た目への影響は、みなさんも感じるところではないでしょうか。はじめて会う人が猫背だとあまりいい印象とは言えません。背筋がピンとしている方が好感度大です。

気分が上がらない

実は猫背は気持ちの落ち込みや、うつとも密接な関係があるといわれています。猫背は骨を歪ませます。特に頭を支える頸椎が歪むことで自立神経のバランスが崩れるのです。すると、脳へ血液が回りにくくなります。
このような理由から、猫背の人はストレスを溜めるとうつなどの精神病を起こす可能性があるので、注意が必要です。

内臓への負担から病気へとつながる

自立神経のバランスが崩れることで、血圧・体温・ホルモン分泌バランスが乱れます。すると、内臓にまで負担がかかるのです。内臓の動きが鈍くなり、特に胃腸の調子が崩れやすくなります。胃の病気につながる可能性があるので、注意が必要です。

この他にも便秘になりやすくなったり、結果、老廃物が排出されず肌が荒れたりと、美容面にもよくありません。

あなたはどのタイプの猫背ですか?

意外ですが、猫背といっても1つだけではないんです。実は大きく分けて3つのタイプがあります。では、どんなタイプがあるのか見てみましょう。

一般的に多い猫背

ちまたでよく見られるタイプの猫背で、背中の中央からグンと前に曲がっています。横からみたとき、頭が体の中心よりも前に出ている特徴があります。このタイプの猫背の人は姿勢を支える筋肉が弱いのが原因です。

意識して背筋をピンと真っすぐ伸ばさないと、なおさら姿勢を支える筋肉は弱くなるだけです。意識して背筋を伸ばすようにしましょう。

骨盤前傾型猫背

これはどんな状態かというと、骨盤が通常の位置より前方に湾曲しています。このタイプの人は体のバランスを取るために首だけ前に出てしまいます。

骨盤後傾型猫背

これは骨盤前傾型とは逆に、骨盤が通常よりも後ろに曲がってしまっていることが原因の猫背です。最近の若者に多い傾向です。

猫背の原因は生活習慣!?

猫背のタイプにはいろいろあるとお伝えしました。それらの原因になるのは、支える筋肉が弱い、筋肉が凝り固まっている、または関節がよく動かないなどです。

「でも、 筋トレをしていない人でも姿勢がいい人はいる!」と感じるの方もいらっしゃると思います。筋トレももちろん大切ですが、もう1つ、日常生活の姿勢が関係しているんです。

一日中ずっと机に座ってPCをやっている方、椅子に浅く座る方などは姿勢を悪くします。前かがみになってキーボードを叩いていませんか? このような姿勢の方は意識して直しましょう。

また、現代人はスマホをよく触ります。このスマホも姿勢を悪くする原因といってもいいでしょう。というのも、スマホを触るとき、うつむいて使う人が多くありませんか? この状態は首の骨が曲がる原因となります。また、頭痛やめまいの原因にもなるので長時間使うのはよくありません。

猫背の改善にはストレッチが有効

すでに悪くなってしまった姿勢でも、まだ治すことはできます。
その方法はストレッチです。3種類のストレッチ方法をご紹介するのでやってみてください。

姿勢改善ストレッチNo’1

立った状態で両手を組みましょう。そしたらその腕のまま空に向かって突き上げます。このとき顔も一緒に上げるのも忘れないでください。ぐんぐん上へと伸ばします。伸びきったら肩甲骨を背骨に寄せる感じで腕を下ろしていきます。この動作を2~3回繰り返します。

姿勢改善ストレッチNo’2

椅子に深く座ります。そして背筋はピーンと伸ばしましょう。両手を頭の後ろで組んだら、肩甲骨を背骨に寄せる感覚で胸を突き出します。突き出したらそのまま3秒間キープします。そしてゆっくり息を吐きながら戻していきます。

姿勢改善ストレッチNo’3

床にゴロンとうつ伏せになります。そして両手で両方の足首を掴みます。※左手は左足、右手は右足を掴みます。掴んだらエビ反りましょう! 10回がんばって反ります。

美しい姿勢をキープするには筋トレが大事!

普段から姿勢よく過ごしたり、ストレッチをしたりで少しずつ猫背が改善してきたら、美しい姿勢をキープするのが大事です。キープするには筋トレをおこないます。筋肉がつくと姿勢を支えてくれると上述したのを思い出してください。

どんな筋トレの方法があるかご紹介します。鍛える箇所は背中・腰・腹・肩周辺の筋肉です。

背筋・腰を鍛える

床にうつ伏せになり、アゴの下で両手を組みます。足は肩幅より気持ち広げるましょう。両足を上に上げたところで3秒キープ。最後はゆっくり足を下ろしていきます。この動きを10回繰り返しましょう。

腹筋を鍛える

仰向けに寝て、手を頭の裏で組みます。膝を曲げたら上半身を持ち上げましょう。この腹筋運動を10回×3セットしましょう。

肩周辺を鍛える

床にうつ伏せに寝ましょう。次に両手を上に向かって上げ、10秒キープします。続いて両方の手を真横に伸ばし、また10秒キープします。その後ゆっくり手をおろします。これらの動作を10回おこないましょう。

まとめ

猫背を改善する方法は参考になりましたでしょうか? 猫背だと見た目が悪いのはもちろん、骨や内臓に負担がかかるので健康にもよくありません。自分は姿勢が悪いと感じるなら、本記事でお伝えした、ストレッチ・筋トレを継続しておこなっていくのが大事です。

長年かけて曲がった姿勢を矯正するには、半年、それ以上かかることもあります。ですが、続けなければ改善するのは難しいです。スラッとしたきれいな見た目のため、健康のためにも諦めず続けましょう。

監修

・整形外科医 寺尾友宏

専門分野
再生医療、スポーツ整形外科

経歴
1997 東京医科大学医学部 卒業
1997 東京医科大学整形外科講座
2007 京都大学大学院医学研究科 単位取得退学
2009 プライマリ整形外科麻布十番クリニック開業
2015 東京ひざ関節症クリニック(院長)
2016 株式会社アースメディカル設立

資格
日本整形外科学会 整形外科専門医
日本整形外科学会 スポーツ医
日本体育協会 スポーツドクター
日本再生医療学会 認定医

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